多くのメーカーから多種多様なAndroid端末が発売されている現在、Androidアプリ/Webサイトの開発者は、その動作検証に非常に苦労している。OESFはこうした現状を踏まえ、Android向けの相互運用性試験センターを開設する。
組み込み分野におけるAndroidの普及促進を目的として設立された一般社団法人 Open Embedded Software Foundation(以下、OESF)は2011年10月24日、AndroidアプリケーションおよびAndroid向けWebサイトの開発者ニーズに応え、Interoperability Testing(相互運用性試験:以下、IOT)センターを開設することを発表した。
現在、多くのメーカーから多種多様なAndroid端末が発売されている。そのため、開発したアプリケーションが必ずしも全ての端末で動作するとは限らず、Webサイトを正常に閲覧できない場合もある。完全な動作保証を実現するのが難しい。加えて、最新端末が登場するサイクルも非常に速いため、市場にある全端末を確保して、全てで動作保証をすることはリソース的にもコスト的にも困難を極める。
OESFはこのような状況を踏まえ、動作検証における経験・実績を有する会員各社の協力の下、IOTセンターの運営を行うとし、最初の協力企業としてセーバーがOESF公認IOTセンターの運営に携わるという。セーバーは、これまでも携帯電話やスマートフォンを含むモバイル端末での動作検証、端末レンタルサービスを展開しており、9月末時点で国内3キャリアから発売されているAndroid端末の全て(50機種以上)を保有している。また、動作検証サービスに加え、Androidアプリケーション開発やAndroid端末への動画配信サービスなども手掛けている。
今回、OESF公認のIOTセンターが提供するサービスは、大きく2つある。1つは、「動作検証サービス」。もう1つは「端末レンタルサービス」だ。
現在、OESFは動作検証で使用可能なAndroid端末を検索できるWebサイト(http://openlab.oesf.biz/modules/iot/)を公開・運用している。利用者は、同Webサイトで使用したい端末を検索・選択し、会員各社の専用ページから上記サービスの申し込みができるという。また、非携帯電話端末、海外向け端末を用いたテストについては、主にOESFが管理するAndroid Open Labで実施できるという。
OESFは、今後多くの協賛企業からの協力を得て、この取り組みを発展させ、日本最大規模のAndroid向けIOTセンターを目指すとしている。また、アジア圏の国々にIOTセンターを開設し、検証事業を拡大していく方針だ。
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