急速充電器の小型化進む、ニチコンが開発電気自動車

EV用充電器の小型化は、地価が高い国内では必要不可欠な開発課題だ。ニチコンは車載用充電器の開発技術を据え置き型に転用し、世界最小の急速充電器を開発したという。

» 2011年08月26日 13時30分 公開
[畑陽一郎,@IT MONOist]

 ニチコンは電気自動車(EV)の小型急速充電器2製品の国内向け出荷を2011年10月から開始する(図1)。特長は小型であること。業界平均で設置面積を約半分に、重量を約三分の一に小型化した結果、世界最小、最軽量の急速充電器であると主張する。

 小型化の結果、設置場所の自由度が上がる他、設置時の基礎工事の費用を抑えることができるという。


ALT 図1 ニチコンの小型急速充電器 世界最小、最軽量をうたう。寸法は「NQC-A202」「NQC-A302」とも、幅350mm×奥行き595mm×高さ1565mm。重量は150kg(NQC-A202)、170kg(NQC-A302)。出典:ニチコン

 出力20kWの「NQC-A202」(本体価格、189万円)と出力30kWの「NQC-A302」(同210万円)がある。出力電圧は直流50V〜500V。いずれもEVの急速充電方式「CHAdeMO規格」に準拠した車両に充電できる。国内のほぼ全てのEVが、CHAdeMO規格に準拠している。なお、入力側には三相交流200Vが必要。

 同社はコンデンサや電源部品を主に製造する企業。三菱自動車のEV「i-MiEV」に対して車載充電器一体型DC-DCコンバータを供給している他、日産自動車のEV「リーフ」に対しても車載充電器を供給している。車載充電器では小型軽量化が強く求められる。今回の開発では、EV用車載充電器の技術を応用し、主要部材を車載用充電器と共通化することで小型化に成功したという。具体的には小型の電子部品とパワー半導体を採用することで、インバーター回路を小型化した。


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