8分で検証! 手計算とフリーソフトの結果比較設計者CAEを始める前にシッカリ学ぶ有限要素法(10)(3/3 ページ)

» 2010年09月15日 00時00分 公開
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ステップ6 解析を実行して結果を表示する

 これですべての解析条件が整いました。さていよいよ解析です。「=」のアイコンで解析実行です。解析はあっという間に終わってしまいます。5秒もかからないくらいです。

 解析の経過を示すウィンドウが黄緑になったら解析がうまく流れた証拠です。そして同じウィンドウの「Post Processor」というボタンが押せるようになります。このボタンを押して、早速結果を表示してみましょう。

 いきなり変形図が表示されます。荷重を掛けた端面近傍が0.217mmの変形。手計算で求めた片持ちばりの理論解が0.218mmですから、ドンピシャといっていいでしょう。

 ミーゼス応力を表示したり、結果をいろいろと表示したりしてみてください。ここまで操作時間としては1分かかりません。フリーソフトでもちゃんとした解析ができることが分かりました。メッシュサイズをもっと大きくしたらどうなるか、一次要素でやってみたらどうなるか、ぜひいろいろと試してみてください。

動画6 解析の実行、結果表示

 ここまでの設定をすべて終えたLISAのファイルを以下に置いておきますので、必要な方はダウンロードしてください。


「finalstep.LIML」のデータをダウンロード
ファイル名:"finalstep.LIML"704KB

8分もあれば、解析できます

 今回はフリーソフトによる有限要素解析の総集編でした。ムービーのトータル時間は8分弱。たったこれだけの時間で片持ちばりの解析ができてしまうのです。ムービーは分かりやすさ重視でゆっくりと操作しているので、実作業であれば5分くらいだと思います。

 荷重や拘束の節点を選択するときに面倒さを感じてしまうでしょう。市販のソフトはこのあたりはさすがに気が利いたUI(ユーザーインターフェイス)となっています。でも結局は荷重と拘束は節点に設定されるのです。

 次回は有限要素法の式と絡めて、荷重と拘束について説明します(次回へ続く)

Profile

栗崎 彰(くりさき あきら)

1958年生まれ。キャドラボ 取締役。1983年より24年間、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧 SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズを経て現在に至る。多くの企業で3次元CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。



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