具体的には、低コストが特徴の「N270」の後継となる「N4xx」「D4xx」「D5xx」と、低消費電力が特徴の「Z5xx」シリーズの後継製品の大きく2種類。
N4xx、D4xx、D5xxは、すでに発売中で、2チップ構成、デュアルコアのオプション、性能向上、I/Oの拡張などがなされている。一方、Z5xxの後継製品においては、2チップ構成、性能の向上、汎用インターフェイス対応がなされ、2010年第4四半期にリリース予定だという。
N4xx、D4xx、D5xxについて、町田氏は「前世代のN270ではCPU、ノースブリッジ、サウスブリッジの3構成だったが、これを2構成にし、さらにデュアルコアに対応したほか、グラフィックス系のインターフェイス、メモリコントローラをCPUに取り込んだ。こうした機能統合により、BOM(Bills of Materials)の節約、消費電力の削減、パフォーマンスの改善が図れる」と説明した。
Z5xxシリーズの後継製品については、「グラフィックス、メモリコントローラをCPUに搭載、フロントサイドバスを汎用のPCI Expressに変更する予定。汎用バスにより柔軟なI/Oを実現し、さまざまなニーズに対応させる計画。今後さらに、AtomでのECC(Error Correcting Code)メモリのサポートも視野に入れている」とその方向性にのみ言及した。
前述のとおり、2010年、インテルが注力する分野の1つとして掲げているのがデジタルサイネージだ。「2015年には、800万台ものデジタルサイネージが稼働するといわれている。インテルがここを攻めないわけにはいかない」と町田氏はいう。
一昔前のデジタルサイネージは、静止画やテキストを表示する程度のものだったが、現在ではネットワーク化やマルチメディアコンテンツ対応、マルチディスプレイ化などが進んでいる。また、デジタルサイネージ自体が一方的に情報を配信するだけでなく、利用者の特性に合わせた情報配信や利用者情報の収集などにも活用されはじめている。「こうしたデジタルサイネージの進化、ニーズの変化に合わせた展開をインテルは戦略的に進めていく」(町田氏)。デジタルサイネージの進化とともに、組み込み機器市場でインテル・アーキテクチャのシェアをさらに伸ばすことができるのか、今後に注目したい。
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