HDMIの評価方法を知る連載。今回はTMDSのプロトコル測定がテーマ。HDMI 1.4で新追加の3Dフォーマットと評価方法も紹介
今回はHDMIのTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)チャネルのプロトコル測定についてご紹介します。この測定は、TMDS信号のコーディング、パケットの構造、ビデオフォーマットタイミング、音声パケットなどがHDMIスペックを満たしているかどうかを測定するものです。また今回は、今年2010年3月4日にリリースされたHDMI 1.4aで新たに追加になった3Dフォーマットおよびその測定についても紹介します。
TMDS信号は、映像信号を伝送するVideo Data Period、音声や制御のパケットを送信するData Island Period、映像もパケットも送信されないControl Periodで構成されており、それぞれの区間で信号コーディングの方式が異なります。また、各区間の区切りを認識するためにGuard BandやPreambleが存在します。
これらのコーディングやGuard BandやPreambleが正しくスペックどおりになっているかどうかを検査するのが、プロトコル測定の第一歩です。これらの測定を行うためには、TMDSのシリアル伝送信号をビット単位で検査する必要があります。
次にTMDS信号の構造とタイミングが正しく構成されているかどうかや、映像ピクセルのエンコーディング(RGBまたはYCbCr)やAVI InfoFrameと呼ばれる映像関連情報のパケット確認などを行う必要があります。さらには、音声のクロック再生パラメータや音声パケットの位置の揺らぎ検証や、音声関連のパケット確認などを行う必要があります。
これらのプロトコル測定を行う測定器の1つが、アジレント・テクノロジーのプロトコルアナライザジェネレータ「N5998A」です(図1)。N5998Aは、HDMI 1.3以降で追加になった拡張機能、例えばDeep Colorや3D videoなどのプロトコル測定が行え、全世界のHDMI ATC(Authorized Test Center)でも使用されています。
検査結果は、コンプライアンステストのテスト項目ごとにPass/Failの結果を表示するとともに、プロトコルの検証で重要となるInfoFrameや音声の各種パケットのログを出力することも可能です。図2はパケットのログ出力の例です。HDMI信号中のパケットの種類、パケットの開始位置(フレーム中のライン番号、ピクセル番号)、パケットのヘッダとデータの値をそれぞれ確認できます。
N5998Aのプロトコルアナライザ機能はCTS 1.4aで定められたソース機器試験Test ID 7-16〜7-40(ただし7-21、7-22、7-23、7-39を除く)をサポートします。N5998Aは、ソース試験に必要なEDID情報を外部ファイルの形で読み込むことが可能です。N5998Aのプロトコルジェネレータ機能は、シンク機器試験Test ID 8-16、8-21、8-23、8-25、8-29、8-31をサポートします。
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