台車からボールが落下するときの高さが約190mmで、シーソー板との衝突点高さが約20mmです(図5.3)。従って、落下高さは、
190-20=170 mm
となります。草太はエクセルで計算式(5-16)と(5-2)から、バスケットボールの質量をパラメータとして、バスケットボールの跳ね上がり高さを計算しました。
草太「バスケットボールが飛び上がる高さが200mmを超えるために必要なバスケットボールの質量は大体4gとなるよ。しかし4gの重さのボールなんてあるかな?」
銀二「4gかぁ。ピンポン球ってどの位の重さかな?」
草太「ちょっと待ってよ、ネットで調べてみるよ。何々、直径40mm、重さ2.7gって書いてあるよ」
銀二「じゃあ、バスケットボールはピンポン球にしようか?」
草太「そうだね。取りあえず、100円ショップへ行って、適当なボールを捜してくるよ」
草太と銀二叔父さんは休憩がてら、草太の下宿の近所にある100円ショップへ行きました。
でも、そこにはピンポン球が売っていませんでした。その代わりに、おもちゃコーナーにあったピンポンとバドミントンの中間のような遊具を買って帰りました。小さなプラスチックのラケット2つに、ピンポン球とよく似たプラスチックのカラーボールが付いていたのです(写真5.2)。
草太「さあ、このボールはどうかな?」
銀二「重さが3gで直径が34mmだ。ちょうどいいと思うよ」
草太「そうすると、エクセルで計算した跳ね上がりの高さは230mmとなるね。本当にそうなるか、実験で確認してみようか」
2人は、早速実験を始めました。
実験でのバスケットボールの飛び跳ね高さは床から約250mmという結果になりました。バスケットボールがシーソー板の上に乗っているときの高さは床から約5mmであることを考慮すると、跳ね上がり高さは約245mmであるといえます(実験結果は動画5.2)。
銀二「エクセルの計算と似たような結果となったな。念のためシミュレーションでも確認してみようか(動画5.3)」
草太「シミュレーションも実際とよく似た運動だね。跳ね上がり高さも床から245 mmだからほぼ実際と一致しているね。これで、シーソーの設計が完成したね。次は、いよいよ全体システムでの実証試験だね。うまくいくかな。わくわくするね?」
◇
次回は最終回です。全体システムについて、シミュレーションと実験を行います。果たして、バスケットボールはうまくバスケットの中に納まるのでしょうか?(次回に続く)
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