それでは、実際にEclipse開発環境のセットアップを行っていきましょう。
なお、本連載ではJREのインストール方法の説明は省略します。ほかの連載記事やサイトなどを参照して、ホスト環境、リモート環境にセットアップをしてください。
以下に、本連載で使用するホスト、リモート環境を示します(表1、2)。
カテゴリ | 製品名 | バージョン |
---|---|---|
OS | Windows | XP Professional |
Java | Java Runtime Environment | 5.0(Update 10) |
ビルド、デバッグ環境 | Cygwin | 1.5.21(0.156/4/2) |
i386 Linux クロスコンパイラ |
3.2.3 | |
Eclipse | Platform | 3.2.1 |
Language Pack(NLpack1) | 3.2.1 | |
CDT | Platform | 3.1.1 |
Language Pack | 3.1.1 | |
RSE | RSE Core | 1.01 |
RSE CDT Remote Launcher | 1.01 | |
RSE DStore Server | 1.01 | |
RSE EFS | 1.01 | |
RSE FTP | 1.01 | |
RSE Local | 1.01 | |
RSE SSH | 1.01 | |
RSE 日本語パッチ | 1.01 | |
Eclox | Eclox | 0.63 |
表1 ホスト環境 |
カテゴリ | 製品名 | バージョン |
---|---|---|
OS | Red Hat Linux | 9 |
RSE DataStore サーバ実行環境 |
Java Runtime Environment | 5.0 |
Perl | 5.8.0 | |
表2 リモート環境 |
それでは、「Cygwin」から順番にインストールしていきます。
Webサイト(http://www.cygwin.com/)からCygwinのインストーラ(setup.exe)をダウンロードして実行してください。
インストーラに従って、Cygwinのインストールを行います。「Select Packages」の画面では、以下のパッケージを必ず選択してください(表3)。
カテゴリ | パッケージ | バージョン |
---|---|---|
Base | cygwin | 1.5.24-2 |
Devel | gcc | 3.4.4-3 |
make | 3.81-1 | |
gdb | 20041228-3 | |
binutils | 20060817-1 | |
gettext-devel | 0.15-1 | |
doxygen | 1.5.1 | |
表3 Cygwinのインストール |
gdbのバージョン20060706-2では、リモートデバッグに失敗するケースが報告されています(原稿執筆時点)。そのため、本連載では、gdbのバージョン20041228-3を推奨します。
Cygwinのインストールが完了したらWindowsの環境変数PATHに、
%Cygwinのインストールディレクトリ%\bin;
を設定してください。
続いて、「クロスコンパイラ」をインストールします。
Webサイト(http://www.nec.co.jp/cced/SDDSE/sampledl.html)からクロスコンパイラ(i386 Linux向けクロスコンパイラ)をダウンロードしてインストールしてください。インストールについては、添付のドキュメントを参照してください。
次に、「Eclipse」をインストールします。
Webサイト(http://download.eclipse.org/eclipse/downloads/drops/R-3.2.1-200609210945/index.php)から、Eclipseプラットフォーム(eclipse-platform-3.2.1-win32.zip)をダウンロードします。
ダウンロードが完了したら「eclipse-platform-3.2.1-win32.zip」を解凍、「eclipse」フォルダが作成されるので、これをインストール先に移動します。
そして、日本語化のためにLanguageパックを導入します。
同じく、Webサイト(http://download.eclipse.org/eclipse/downloads/drops/L-3.2.1_Language_Packs-200609210945/index.php)からEclipseプラットフォームのLanguageパック(NLpack1-eclipse-platform-3.2.1-win32.zip)をダウンロードします。
ダウンロードが完了したら「NLpack1-eclipse-platform-3.2.1-win32.zip」を解凍、作成された「features」フォルダ、「plugins」フォルダをc:\eclipse\配下に上書きコピーしてください。
さらに、Eclipse上でC/C++開発を支援するプラグイン「CDT」をインストールします。
以下の2つのファイルをWebサイトからダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを解凍し、作成された「eclipse」フォルダ配下の「plugins」、「features」フォルダ、HTMLファイルを「c:\eclipse」に上書きコピーしてください。
次に、「RSE」プラグインをWebサイト(http://download.eclipse.org/dsdp/tm/downloads/drops/R-1.0.1-200612151830/index.php)からダウンロードします(以下、7ファイル)。
ダウンロードが完了したら、それぞれファイルを解凍し、作成された「eclipse」フォルダ配下の「plugins」フォルダ、「features」フォルダ、HTMLファイルを「c:\eclipse」に上書きコピーしてください。
さらに、Webサイト(http://www.nec.co.jp/cced/SDDSE/sampledl.html)から「RSE V1.01 日本語化パッチ」をダウンロードします。インストールについては添付のドキュメントを参照してください。
続いて、ドキュメント作成ツールdoxygenをEclipse上で使用可能にするプラグイン「Eclox」をインストールします。
Webサイト(http://home.gna.org/eclox/)からダウンロード&解凍し、作成された「plugins」、「features」フォルダを「c:\eclipse」に上書きコピーしてください。
最後に、Webサイト(http://download.eclipse.org/dsdp/tm/downloads/drops/R-1.0.1-200612151830/index.php)から「DStore Server Runtime(rseserver-1.0.1-linux.tar)」をダウンロードします。
下記のとおり、リモートマシン上にRSE DStore Serverのインストールを行います。本連載では、/opt/rseserver/1.0.1/にインストールしています。
1.LinuxマシンにRSE DStore Serverのインストールディレクトリ「/opt/rseserver/1.0.1/」を作成します。
2.FTPソフトなどを利用し、「rseserver-1.0.1-linux.tar」をLinuxマシンのインストールディレクトリ「/opt/rseserver/1.0.1/」に転送します。
3.TeraTermなどのターミナルソフトウェアを起動し、以下のようにtarコマンドで、「rseserver-1.0.1-linux.tar」を展開します。daemon.plがRSEのdserverデーモン起動スクリプトです。
# cd /opt/rseserver/1.0.1/ # tar xvf rseserver-1.0.1-linux.tar
4.perlコマンドを利用して、dserverデーモンを起動します。dserverデーモンの起動は、root(スーパーユーザー)で実施してください。以下のコマンドは、ポート番号が4035で、内部で10000から10010のポートに振り分けて、同時に10名が接続できるという起動例です。
# perl ./daemon.pl 4035 10000-10010
本コマンドで、RSE DStore Serverを起動している間は、dstoreプロトコルを用いた、RSEでのリモートアクセスが可能になります。
長くなりましたが、以上で環境設定は終了です。
今回は、EclipseのC/C++開発プラグインの概要を紹介し、Eclipse C/C++開発環境の構築方法について解説しました。
前述のとおり、Eclipseを用いることで“ビジュアルで高機能な開発環境”を手軽に利用できるようになります。本連載を参考に、Eclipseを組み込みソフトウェア開発に利用してみてはいかがでしょうか。
さて、次回からは今回構築した環境を用いてC/C++アプリケーション開発の方法について解説していきます。(次回に続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.