Eclipse Foundationでは、Eclipseを組み込み開発に応用する取り組みが行われている。その最新事情を紹介する
2000年当時の開発ツールはおおむね相互運用性に乏しく、単一のインフラが望まれていました。
2002年にIBMが独自技術をオープンソース・コミュニティに委ね、開発ツールに関係する主な企業が協業して共通のインフラを実現することを提案しました。共通のフレームワークと模範的な開発ツールを作れば、多くの企業がそれらを自社製品の開発に活用できるようになります。こうして、“Eclipse”が誕生しました。
発足時から、Eclipse Foundationはほかのオープンソース・イニシアティブと異なっていました。参加者は個人の開発者ではなく、すべてが商用製品を開発してきた企業です。そのため、参加企業の会費で推進母体を財団化することができました。Eclipse Foundationの使命は、企業が商用製品の設計に安心して使える、標準技術に基づいた開発環境を実現することです。
会員企業は年収に応じて年会費を拠出します。戦略メンバーは、さらに最低8人のエンジニアをEclipse関連の開発に従事させることになっています。その見返りとして、戦略メンバーはEclipse技術のロードマップ策定と財団の運営を主導する立場を得ます。戦略メンバーの下位にも参加資格があり、アドイン・プロバイダ、賛助会員、学術会員、個人会員が存在します。
各会員企業は、Eclipseベースの製品を商用化するなど、何らかの形でEclipseを活用するわけですから、自社の研究開発の一環として真剣に取り組みます。Eclipseフレームワークは、企業の独自開発とオープンソース両方のプラグインをサポートできます。参加企業はEclipseプロジェクトで緊密に協業していますが、市場では互いに激しく競い合っています。
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Eclipse Foundationは複数のトップレベル・プロジェクトで構成され、それらのプロジェクトはそれぞれ関連するサブ・プロジェクトを管轄しています。Eclipseはもともとデスクトップ・コンピュータ向けの開発環境であったため、Eclipseプロジェクトの大半はいまでも企業システムで要求される技術や機能の開発に関係しています。
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