インフォアの強みは3つの製品原則 ESGレポート作成と生成AIの支援機能も搭載:製造ITニュース
インフォアは顧客の生産性向上を支援する生成AIを活用した機能「Infor GenAI」と、カーボンフットプリントのレポート作成を支援するESGレポート機能の提供に関する説明会を開催した。
インフォアは2024年5月23日、顧客の生産性向上を支援する生成AI(人工知能)を活用した機能「Infor GenAI」と、カーボンフットプリントのレポート作成を支援するESGレポート機能の提供に関する説明会を開催した。同説明会では、同社の製品ビジョンなどについても説明した。
データ連携の容易さでESGレポート作成支援
インフォアは組み立て製造業やプロセス製造業、サービス業など各業界に特化したマルチテナントERPプラットフォームを提供する米国企業だ。ERPと連携する製品ライフサイクル管理やサプライチェーン計画、倉庫管理などのクラウドアプリケーション群も展開している。
インフォア ソリューションコンサルティング担当シニアバイスプレジデントのフィル・ルイス氏は、同社製品は「業界特化型のソリューション」「接続可能な単一のプラットフォーム」「経験志向の超生産的なソリューション」という3つの原則に従って構築されていると説明する。
1つ目の業界特化型のソリューションという点について、ルイス氏は「特定の業界には特定のERP機能が必要だ。自動車会社は食品や飲料会社とは異なる機能が求められる。しかし、食品飲料業界でもパンや乳製品、ワイン、化学製品などの業種レベルで見ると、やはり要件は全く異なる。インフォアはこうした領域で活躍できる」と説明する。
2つ目の接続可能な単一のプラットフォームとは、顧客やそのサプライヤーが持つデータや他ITベンダーのアプリケーションを1つの基盤上で連携させることができる点である。データやアプリケーションを1カ所に集約すれば、AIや分析ツールを活用しやすくなる。さらにユーザーがデータを必要としたときに、すぐにアクセスできる仕組みも標準で搭載している。
今回発表したESGレポート機能は、こうした接続性の高さによって実現できたものだ。インフォアのクラウドソリューション群である「Infor CloudSuite」や、自社のデータファブリックに点在する環境関連データを収集し、企業サステナビリティ報告指令(CSRD)や欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)などに適合するレポート作成を支援する。
さらに顧客のビジネス要件に合わせてプラットフォームを柔軟に拡張するためのサポートも提供する。外部のアプリケーションをプラットフォームに連携させる際に求められる接続や統合、セキュリティ対応などのプロセスで要する労力を軽減し、「リードタイムゼロ」(ルイス氏)で使えるようにしている。
3つ目の経験志向の超生産的なソリューションについては、業務特化型の自動化フロー機能やプロセスインテリジェンス機能などを紹介した。請求書や納品書、発注書などの検索、照合、保管といった定型的な業務を業界横断で自動化する機能を提供している。これらはインフォアが蓄積してきたビジネスプロセスの改革に関するベストプラクティスに基づき構築されたものだ。
またビジネスプロセスを可視化するダッシュボードも提供する。プロセス変更後の変化に関するモデリングを行う機能や、ビジネスプロセス自体や、それに関係する人、時間を検索できる機能も搭載する。
インフォアが新しく発表したInfor GenAIの機能は、こうしたビジネスプロセスの自動化や知能化に関わってくる。インフォアのクラウドソリューション全体に生成AIが適用されることで、ドキュメント作成やドキュメントからのサマリー作成の速度を飛躍的に高められる。
インフォア アジア太平洋地域・日本担当シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのテリー・スマグ氏は「顧客の成長という観点から、顧客の収益性を引き出し、プロセスの最適化、デジタル化、トランスフォーメーションを継続して実現していくことを目指す。そして誰もが知っているように、私たちは物事が非常に速く進む時代にいる。そのため、インフォアでは、半年ごとに新しい機能をクラウドで自動的に提供するようにしている」とコメントした。
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