従業員130人全員がデザイナー 社員6人の町工場が急拡大し続けているワケ:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(13)(6/6 ページ)
本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回は、創業70年以上の歴史を持ちながら、スピード感のある事業展開でベンチャーのような雰囲気もあわせ持つ、大阪府八尾市の友安製作所 本社オフィス兼工場を取材しました。
國清さんが本気で取り組むもう1つのこと
――お仕事の日以外はどんなことをされているのですか?
國清さん バンドのボーカルとして活動しています。
バンドは大学生時代の2021年に結成しましたが、音楽活動自体は高校生から続けています。小さい頃から歌うのが大好きでした。バンドの活動は4年目で、メンバーは全員会社員になりました。土日にはたまにライブも行います。Bossも応援してくれています。
仕事でも音楽活動でも、表現したり発信したりしたい世界観は、根っこの部分では同じです。だから、両方同じくらい本気ですし、どちらにもやりがいを感じています。
広報としてこれから発信したい、「友安製作所らしさ」
――広報として幅広いお仕事をされていると思いますが、今後やってみたいことはありますか?
國清さん 現在、友安製作所のSNS(X、Instagram)の更新、「ナイトシューカツ」など採用関係イベントへの参加、工場やオフィス見学者の案内など、社外向けの業務はほぼ担当しています。これからやってみたいのは、メディアを通じて友安製作所の「生きるをあそぶ」などの世界観を体現した発信を行うことです。友安製作所には日本製の自社製品もあれば、海外からの個性的なデザインの買い付け品もあります。あらゆる人の「好き!」「DIYしたい!」に応え、生活を彩ることができるよう、今後も友安製作所らしさを発信していきます。
あとがき
年齢もバックグラウンドも異なる2人への取材で見えてきたのは、友安製作所の「個性が尊重され、自由な発想で働くことができる社風」です。「他者との違いを認め合う」「多様性のある職場」という言葉自体はありふれていますが、それがこれほど体現されている企業があるのか、と驚きました。社員数の著しい増加や事業拡大を経ても、誰にとっても働きやすい職場を維持するのは、容易なことではないでしょう。
記事に全ては記載できませんでしたが、社内見学中には、各部署の社員の皆さんが親身に説明をしてくださいました。皆さんとても生き生きとしていたのが印象に残っています。そんな魅力あふれる友安製作所から生まれる企画やモノづくりに今後も注目していきたいと思います。
おまけ
後日、東京都の浅草橋にある友安製作所Cafeへ行きました。DIYグッズやインテリア雑貨が並ぶ、秘密基地のような雰囲気のカフェでした。居心地が良く、つい長居してしまいました。定期的にDIYワークショップなども開催されているようです。
浅草橋の他にも、大阪の阿倍野や福岡の博多にも店舗があり、それぞれメニューや店舗空間が異なっています。友安製作所のことをもっと知りたい!と思った方は、ぜひカフェに足を運んでみてください!
(ものづくり新聞記者 佐藤日向子)
著者紹介
ものづくり新聞
Webサイト:https://www.makingthingsnews.com/
note:https://monojirei.publica-inc.com/
「あらゆる人がものづくりを通して好奇心と喜びでワクワクし続ける社会の実現」をビジョンに、ものづくりの現場とつながり、それぞれの人の想いを世界に発信することで共感し新たな価値を生み出すきっかけをつくりだすWebメディアです。
2023年現在、160本以上のインタビュー記事を発信し、町工場の製品開発ストーリー、産業観光イベントレポート、ものづくり女子特集、ものづくりと日本の歴史コラムといった独自の切り口の記事を発表しています。
編集長
伊藤宗寿
製造業向けコンサルティング(DX改革、IT化、PLM/PDM導入支援、経営支援)のかたわら、日本と世界の製造業を盛り上げるためにものづくり新聞を立ち上げた。クラフトビール好き。
記者
中野涼奈
新卒で金型メーカーに入社し、金属部品の磨き工程と測定工程を担当。2020年からものづくり新聞記者として活動。
佐藤日向子
スウェーデンの大学で学士課程を修了。輸入貿易会社、ブランディングコンサルティング会社、日本菓子販売の米国ベンチャーなどを経て、2023年からものづくり新聞にジョイン。
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