本連載では、厳しい環境が続く中で伝統を受け継ぎつつ、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回はジュエリーブランド「four seven nine」を取り上げます。
本連載はパブリカが運営するWebメディア「ものづくり新聞」に掲載された記事を、一部編集した上で転載するものです。
ものづくり新聞は全国の中小製造業で働く人に注目し、その魅力を発信する記事を制作しています。モノづくり企業にとって厳しい環境が続く中、伝統を受け継ぎつつ、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。
静かな雨が降っていた2023年4月中旬、たまたま立ち寄った中目黒の古着屋さん「H(アッシュ)」で開催されていたジュエリーブランドのポップアップ。個性的でとてもかわいいアクセサリーに目を奪われていると、デザイナーのお二人が声をかけてくださいました。
お二人はご夫婦でジュエリーブランド「four seven nine(フォーセブンナイン)」を運営されている吉田高介(よしだたかすけ)さんと倉田ユウ子(くらたゆうこ)さんです。four seven nineは、SV999の純銀とK24の純金という2つの素材のみを使用した、シンプルなデザインが特徴のジュエリーブランドとなっています。
お二人が1つ1つ手作業で生み出す純銀、純金のジュエリーは、ちょっと変わったデザイン。ですが、大ぶりのものやチャレンジしたことのない雰囲気のアイテムでも、付けてみると不思議と肌なじみが良い。初めて出会ったのに、ずっと前から着けていたような感覚に驚きました。
何よりも印象的だったのは、その場で作り手であるお二人から直接お話を聞くことができ、使う人に合わせたサイズの調整や刻印、さらにお手入れグッズの使用方法など、長く使うためのポイントを詳しく教えていただけたところです。一緒に行った友人とそれぞれ心引かれたアイテムをゲットし、降っていた雨を吹き飛ばすくらい心が弾む、忘れられない思い出になりました。
それからおよそ1カ月。改めてものづくり新聞記者としてお二人に取材させて頂けることになり、都内のアトリエに伺いました。
吉田高介さん
東京都新宿区生まれ。株式会社アザーコンプレックス代表取締役。Wearable art designer(ウェアラブルアートデザイナー)。four seven nineのジュエリー制作とデザインを担当。大学卒業後は専門学校に進学。グラフィックデザインを学びながら彫金教室にも通い、「装う彫刻」の制作に挑戦。最近は洋服のプチリメークとDIYにハマっている。
倉田ユウ子さん
兵庫県神戸市生まれ。株式会社アザーコンプレックス代表取締役。four seven nineのデザインと広報を担当。吉田さんと同じ専門学校へ進学後、デザイン会社や不動産会社を経て29歳のときにグラフィックデザイナーとして独立。広告やパッケージなどのデザイン、企画、制作を行う。趣味はカリグラフィーで和文字を描くこと、園芸、食、美容、健康、音楽鑑賞やDJなど好奇心旺盛。
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