純金純銀のジュエリーを1つずつ手作り、大量生産が難しい素材をあえて使う理由ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(7)(5/5 ページ)

» 2023年08月08日 10時00分 公開
前のページへ 1|2|3|4|5       

「杉並区イチ寝てない女」と呼ばれた倉田ユウ子さん

SEVENLYSEVENのREBORNコレクション(自然界に存在しているものからインスピレーションを受け、ジュエリーとして新しく生まれ変わった、自然美を再構築したモチーフシリーズ。成長、飛躍、美などの意味を持つ蝶のモチーフのジュエリーなどがあります)[クリックして拡大] 出所:ものづくり新聞

 倉田さんは29歳の時にアザーコンプレックスにグラフィックデザイン部門を設立し、グラフィックデザイナーとして独立しています。オフィスの一角にSEVENLYSEVENの展示場所を設ける他、伊勢丹新宿店などでポップアップを開催し、ジュエリーデザイナーとしても活躍中です。

――倉田さんは幼少期にどんなことをするのが好きでしたか?

倉田さん 字を書いたり、絵を描いたりするのが好きでした。3歳のころから書道を習っていたこともあり、とにかく紙とペンさえあれば黙々と何かを書いている子どもでした。

倉田さん 出所:ものづくり新聞

――学生時代はどのようなことに興味がありましたか?

 いろいろなことに興味があったのですが、現代アートに興味があったころは画廊でアルバイトをしていました。デザインの仕事をして、いつか自分のデザインしたものを販売したいという気持ちはずっとありました。

――専門学校卒業後はどのようなお仕事をされたのですか?

倉田さん 初めにカタログデザインの会社で働きました。もともとは漠然と商品のデザインをしたかったのですが、カタログは買うのを決めた人しか見ないので、実はそういったことを考える必要はありませんでした。仕事をしていくうちに、自分が本当にやりたかったことは何だろうと考えるようになり、徐々に自分の中でやりたいことがクリアになっていきました。

――その後もデザインのお仕事を続けられたのですか?

倉田さん そのあと、実は不動産会社でも働いていました。できない自分を克服したくて、数字で実績が見えやすい業界で働いてみたいと思っていました。働いてみて、女性が働きやすい業界だということにも気付き、学びの多い経験になりました。

――不動産会社に勤められていたころはどんな1日を送っていたのですか?

倉田さん 昼間に不動産会社で働いて、夜20時ごろから深夜までデザインの仕事をしていました。3、4時間寝て、また不動産会社に行くという生活を4年ほど続けていましたね。友人から「杉並区イチ寝てない女」と言われたこともありました。

「体の一部」となるジュエリーをつくりたい

――最近のポップアップにはどのような方が来ますか?

倉田さん 自分用に購入したあと、大切な方へのプレゼント用に選んでくださる方もいらっしゃいます。その後プレゼントされた方と一緒にポップアップに足を運んでくださって、おそろいで新しいジュエリーを購入されるといったこともありました。

――four seven nineのジュエリーをどんなふうに楽しんでもらいたいですか?

倉田さん 着け心地の良さも意識してデザインしているので、お風呂に入るときや寝るときにもつけていることを忘れてしまうような、でもふとしたときに目に入って気持ちが安らぐような存在でありたいと考えています。着け心地の良さからジュエリーが体の一部になるような感覚で、ご自身の一番そばにいる相棒として楽しんでもらいたいです。

大切な人と一緒に経年変化を楽しみながら長く使うために

 長く同じものを身に着けていると、汚れてしまったり、壊れてしまったりすることもあります。four seven nineでは、年に一度ジュエリーのメンテナンスを無料でお願いするキャンペーンを実施しているそうです。

 今後はみんなで集まって一緒にメンテナンスをするといったことや、パートナーとジュエリーをシェアするというライフスタイルを提案していくこと、純銀の魅力を伝える書籍の出版など、やってみたいことはお二人の中でたくさんあるのだとか。

 ものづくり新聞は引き続き勢いのあるお二人の活動に注目すると共に、お二人のご活躍を心から応援しています。

four seven nine
公式HP:ポップアップの開催場所やスケジュールなどはこちらから
Instagram:直近で予定されているポップアップなど最新情報についてはこちらから
note:より詳しい素材やデザインのこだわりやお二人の思いが分かる記事はこちら



あとがき

試着させていただいたSEVENLYSEVENのリング(人差し指と薬指)と、いつも身に着けているfour seven nineの01-008のリング(中指)[クリックして拡大] 出所:ものづくり新聞
アトリエにはかわいい置きものもたくさん[クリックして拡大] 出所:ものづくり新聞

 取材させていただいたアトリエは雑誌の世界かと思うほどおしゃれで、木のぬくもりを感じるとても落ち着く空間でした。取材後にSEVENLYSEVENのリングを幾つか試着させていただきました。four seven nineとはまた表情が異なり、きらびやかなアイテムばかりでとてもワクワクしました。

 four seven nineのリングは1つのデザインにつき777個のみ制作されるという限定品。私が以前購入したリングにも288/777という刻印がされており、さらに愛着が湧きました。これからも、日常に楽しみや充実感をくれるような丁寧なものづくりに注目していきたいと思います。

(ものづくり新聞記者 佐藤日向子)

⇒次の記事を読む
本連載の目次はこちら
記事のご感想はこちらから


著者紹介

ものづくり新聞
Webサイト:https://www.makingthingsnews.com/
note:https://monojirei.publica-inc.com/

「あらゆる人がものづくりを通して好奇心と喜びでワクワクし続ける社会の実現」をビジョンに、ものづくりの現場とつながり、それぞれの人の想いを世界に発信することで共感し新たな価値を生み出すきっかけをつくりだすWebメディアです。

2023年現在、100本以上のインタビュー記事を発信し、町工場のオリジナル製品開発ストーリー、産業観光イベントレポート、ものづくり女子特集、ものづくりと日本の歴史コラムといった独自の切り口の記事を発表しています。

編集長

伊藤宗寿
製造業向けコンサルティング(DX改革、IT化、PLM/PDM導入支援、経営支援)のかたわら、日本と世界の製造業を盛り上げるためにものづくり新聞を立ち上げた。クラフトビール好き。

記者

中野涼奈
新卒で金型メーカーに入社し、金属部品の磨き工程と測定工程を担当。2020年からものづくり新聞記者として活動。

佐藤日向子
スウェーデンの大学で学士課程を修了。輸入貿易会社、ブランディングコンサルティング会社、日本菓子販売の米国ベンチャーなどを経て、2023年からものづくり新聞にジョイン。

広報・マーケティング

井上史歩
IT企業の広報在籍の後、ものづくり新聞にジョイン。モノづくりのワクワクをあらゆる人へ届けるため様々な方面へ広報活動中。



前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.