従業員130人全員がデザイナー 社員6人の町工場が急拡大し続けているワケ:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(13)(2/6 ページ)
本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回は、創業70年以上の歴史を持ちながら、スピード感のある事業展開でベンチャーのような雰囲気もあわせ持つ、大阪府八尾市の友安製作所 本社オフィス兼工場を取材しました。
自社でのモノづくりを継続 他事業向けの製品も製造
紺色の建物の1階にはオフィス、2階には会議室があります。自社製品のデスクや椅子、ステンドグラス風の窓用DIYガラスフィルムなどが使用されており、カフェのようなおしゃれな空間です。
友安製作所は「ライフスタイルカンパニー」へと変革してもなお、自社でのモノづくりを継続しています。自社設備で線材加工やプリント、塗装、溶接などを行い、自社製品や、他事業を支える製品を製造しています。例えば、カフェ事業で使われている小物や家具の一部も自社で製造しています。
モノづくり作業用のスペースでは、金属製のカーテンフックも製造しています。使用する機械は創業者の代から使われているものもあるそうです。ガッチャン、ガッチャン、と心地よいリズムでパーツが加工され、完成したカーテンフックが落ちてきます。機械1台で、1日に2万〜3万個のカーテンフックを製造します。
次に、梱包の現場も見せていただきました。友安製作所のモノづくりは、金属と木材の組み合わせが多いのが特徴です。この場所にある木の天板と鉄製のフレームで作られたデスクや、梱包材を支えるパーツも自社で製造しました。
社員の皆さんが昼休みに使っているのは、キッチンのあるカフェテリアです。友安製作所は工務店事業も手掛けており、このキッチンはショールームとしても使われています。
コロナ禍に大活躍したステンドグラス風のパーテーションも、インテリアのアクセントになっています。並んでいる椅子をはじめ、壁紙やカーテン、照明も自社製品です。ひときわ存在感を放っていた木彫りの時計はインドから買い付けたそうです。360度どこを見てもおしゃれな空間でした。
友安製作所では、自社製品の撮影も社内で行います。スタジオに簡易的な寝室やリビング、バスルームなどを作り、自社製品を引き立てる空間を作っています。この日は壁にあるフェイクグリーンの撮影で、スタジオにはソファなどの家具も設置されていました。
オフィスや会議室のすぐ隣の建物に、素材加工、梱包、撮影を行うスペースが集まっているため、コミュニケーションを取りながら効率良く作業が進められそうです。
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