従業員130人全員がデザイナー 社員6人の町工場が急拡大し続けているワケ:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(13)(4/6 ページ)
本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回は、創業70年以上の歴史を持ちながら、スピード感のある事業展開でベンチャーのような雰囲気もあわせ持つ、大阪府八尾市の友安製作所 本社オフィス兼工場を取材しました。
退勤前に他部署の社員の日報を読み、「いいね」を押す
――入社されてからの17年間でさまざまな変化があったと思います。その中でも特に印象に残っていることを教えてください。
山東さん たくさんありますが、強いて言うならMetaのWorkplace for Metaを使用して社員同士の日報が見られるようになったことですね。今となっては社員が100人以上いるので毎日全員分は読めないのですが、関わりのある社員の日報は日々チェックするようにしています。
そうすると、他の社員の業務内容だけではなく、最近苦労していることや、それをどう乗り越えたのかなどが垣間見えて勉強になります。業務分野が違うと内容の全ては理解できないのですが「読んだよ、お疲れさま」の意味も込めて必ずその投稿(日報)にいいねを押すようにしています。
社内でコミュニケーションツールとして使っているSlack(スラック)は、最低限の機能しか使えていません。作業をしている時間は通知に気付かないこともあります。それでも、分からないことがあれば社内のワークプレイスデザイン部という部署のメンバーに教えてもらえますし、社内Wikiでマニュアルが読めます。困った時に頼れる相手がいたり、取扱説明書が常に確認できる状態で準備されているのはありがたいです。日々さまざまなことが変化していますが、これからもその変化の波に置いていかれないように頑張ります。
62歳の今、「これから」について思うこと
――これから友安製作所でやってみたいこと、成し遂げたいことを教えてください!
山東さん 2年前、60歳になる直前の個人面談で、会社と定年後再雇用契約を結びました。その時にBossに「私はいつまで働かせていただけるのでしょうか?」と聞いたら、「死ぬまで!」と即答され驚いたのを覚えています。Bossは、今いる社員が喜んでくれそうなことを日々考え、「非日常」がテーマの慰労会の企画や、福利厚生の充実といった形で表現してくれます。その背中を見ていると、これからもBossについていきたい! と心の底から思います。
自分が今もし30代や40代であれば、成し遂げたい目標に向かってもっと野心的に働いていたのかなと思います。ですが、これからは自分のキャリアをどう締めくくることができるのかを考えていきたいです。それまでは、日々の社内の変化に適応するプロセスを楽しみながら乗り越えていけたらと思います。
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