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3.7億トン以上の石灰石を生産する秋芳鉱山で船積バースを2バース体制へ改修:製造マネジメントニュース
住友大阪セメントは、秋芳鉱山の出荷設備である船積バースの延伸工事を実施する。既存バースの延長上に延伸バースを増設し、2バース化する見込みだ。
住友大阪セメントは2023年1月18日、山口県長門市の船積バースを延伸する工事を実施すると発表した。同県美祢市の石灰石鉱山である秋芳鉱山に設けた船積バースは、設置されてから58年が経過し、老朽化したことからリニューアルを決めた。
今回の工事では、既存バースの延長上に延伸バースを増設し、1バース体制から2バース体制への拡充を計画している。2バース化により、停泊する船舶の回転率向上や滞船時間の短縮が実現し出荷効率が高まり、継続的な安定出荷が可能になると見込んでいる。2023年4月に着工し、2026年4〜9月に完工する見通しだ。
国内8つの鉱山で年間1900万トン以上の石灰石を生産している同社の中でも、秋芳鉱山は主力の石灰石鉱山だ。1964年の開山以来、これまで3.7億トン以上の石灰石を生産し、出荷してきた。国内の鉄鋼、化学、セメント、骨材用への供給だけでなく、近隣アジア諸国へも輸出されている。
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