方法改善の手順 分析結果のまとめと改善案の立案: 実践! IE:方法改善の技術(4)(1/3 ページ)
人・設備・モノのムダを見つけて改善する。製造業の原価低減に欠かせない3つの要素のムダを発見するために、インダストリアル・エンジニアリングにおける改善の技術を紹介していく。
1. 分析結果のまとめ
「分析結果のまとめ(改善の検討)」は、「方法改善の手順」中の第3ステップ(方法改善の技術(2)・図1を参照)です。問題の解決や改善を行うために、「方法改善の技術(2・3)」では、分析手法を使って問題を数値として顕在化しました。
次の段階では、その分析結果のまとめとして、グラフなどによって収集したデータを図で表し、その結果に基づいて「改善の検討」を行うステップです。
1. 1 データの図示化
データの図示化の目的は、現状の悪さ加減と、問題の発生原因を明らかにしていくことにあります。分析結果をまとめる際には、統計的手法を用いて測定結果をまとめること、過去の実績や標準値と測定結果を比較してみること、測定値の不足や追加の測定項目を決定するなどが要点となります。また、収集したデータの図示化は、特に以下の事項に効果的です。また、よく活用されるグラフについて「図1・主な図示方法の種類と特徴」に、その概要を説明しておきましたので、ご活用ください。
(1)情報伝達力が増す
- (a)全体の姿が分かりやすく把握できる
- (b)多数の人が興味を持てる共通の言葉である
- (c)資料の信頼性が高まる
- (d)文章による記述と異なり、主観を排除できるので誰にでも正しい理解ができる
(2)記録の解析による管理水準の向上
(3)問題解決の糸口をつかむ
- (a)データの大きさを比較し、問題の悪さ加減や異常の有無の違いを明確にする
- (b)構成割合を比較して、重点の置きどころをつかむ
- (c)問題と改善結果の度合いを時系列的に把握する
- (d)効率的な問題解決の手段でもある
(4)自分の発想を支援する
- (a)論理的に物事を考える習慣付けに効果的である
- (b)科学的アプローチへの思考プロセスの基礎作り
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1. 2 改善の検討
分析によって、その作業に関するいろいろな事実収集の終了後は、現在の作業方法について、1つずつ批判的な検討を加えて問題の摘出を行っていきます。この検討のステップは、問題を摘出して、次の新方法の立案に導く重要な段階でもあります。
問題の摘出に当たっては、各現象には必ず原因があり、それぞれの現象を改善していくには、その原因を改善することが必要です。すなわち、より「源流のレベルで改善する」ことを心掛けなければならないといえます。
問題点と、その原因の摘出には、既出の分析手法や分析結果の図示方法などの併用も効果的な検討を行うための一助となります。また、「表1・分析結果の検討内容」は、改善の検討を行う際の要点をまとめたものです。
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