近年、フィジカルAIに関する事業取り組みが活発になる中、セキュリティ対策の範囲をロボットなどのハードやIoT機器側にまで広げる必要がある。金井氏は「フィジカルAIが適用されたロボットが自律的に動くためにはネットワークを介して他のシステムとの情報のやりとりが必要である。一方でネットワークが入ることにより、さまざまなサイバー攻撃のリスクに直面してしまう。そのため、フィジカルAIを活用するためにはセキュリティ対策が重要となる」と説明する。
産業用機械やIoT機器にはセキュリティ対策ソフトウェア(EDRなど)を導入できないことが多い。NTTドコモビジネスはこの課題に対し、同社が提供するネットワークサービス(docomo business RINK/SIGN)に、不正通信を検知し、ポータルやAPIから該当する通信を遮断できる機能「WANセキュリティ」を搭載している。「当社のWANセキュリティは攻撃者とネットワークに侵入したマルウェアの通信を検知し、顧客に通知する。担当者はこのことをポータルで確認でき、すぐに通信を遮断できる。この技術は特許を取得している」(金井氏)。
また、AIによるサイバー攻撃が進んでおり、攻撃者がシステムに侵入してネットワーク内に拡大するまでの時間(ブレイクアウト)は平均29分である。今後はさらにこの時間が短縮される可能性が高い。そのため、人間による対応が間に合わないことが想定されている。この課題に対し、NTTドコモビジネスはWANセキュリティに不正通信の検知後、約5分で該当の通信を自動遮断する機能を2027年3月に提供予定だ。
さらに、サプライチェーンを狙ったサイバー攻撃も勢いを増しており、対応が求められる時代となっている。この部分に対しても、子会社や取引先の企業にdocomo business RINK/SIGNへ加入してもらうことで、子会社で発生した不正アクセス情報を親会社に通知でき、サプライチェーン全体に被害が及ぶ前に迅速な対応や、親会社からの支援が可能だ。同機能についてdocomo business RINKは既に提供済みであり、docomo business SIGNは2026年12月に提供予定だ。
金井氏は「ネットワークは従来のデータの通り道という役割から攻撃者の侵入経路に変わってきている。そのため、異常を見張るセンサーが重要な監視ポイントになっている。セキュリティ対策として複数の要素を組み合わせた多層防御において、当社のセキュリティ機能付きのNaaSが機能する。NaaSは『Network as a Service』の役割だけでなく、ネットワークがセンサーのような役割を果たす『Network as a Sensor』として機能し、AI時代の新しい多層防御に進化する」と述べた。
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