NTTドコモビジネスは3つの成長戦略でAIインフラに注力 2026年度の事業戦略を公表:製造ITニュース(1/3 ページ)

NTTドコモビジネスは2026年度の事業戦略について説明した。同社は2030年度に売上高2.6兆円の達成を目指す。AI需要に対応する上で重要な分散型コンピューティングの実現など3つの成長戦略に注力し、事業強化を図る方針だ。

» 2026年10月02日 07時00分 公開
[坪田澪樹,MONOist]

 NTTドコモビジネスは2026年9月28日、東京都内で会見を開き、2026年度の事業戦略について説明した。

2025年度の売上高は2兆円を達成 2026年度は3つの成長戦略に注力

NTTドコモビジネスの小島克重氏

 NTTドコモビジネスは2025年度にAI(人工知能)のさまざまな業務への展開/実装を目指して事業を展開してきた。同年に発表した「AI-Centric ICTプラットフォーム」を通じて「コンピューティング(GPU/データセンター)」「ネットワーク(Network as a Service、以下NaaS)」「AIマネージド/AIマネージドセキュリティ」を三位一体で進化させている。

 NTTドコモビジネス 代表取締役社長 社長執行役員 CEOの小島克重氏は「2025年度の法人収益は、2020年の事業再編時に目標としていた2兆円を達成した。事業成長ドライバーの重点4領域(AI/IoT(モノのインターネット)/デジタルBPO/地域・中小DX)についても、各領域で前年度比約200億円増加しており、合計で3000億円を超える規模へと成長した」と振り返る。

 同社は2030年度に売上高2.6兆円の達成を目指す。また、重点4領域においては、2027年度に売上高5000億円、2030年度には売上高7000億円超えを目指して、事業展開を進める方針だ。

NTTドコモビジネスの事業目標[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 2026年度は「プラットフォームの更なる進化」「重点4領域の更なる強化」「パートナリングの更なる強化」の3つの成長戦略に注力し、事業強化を図る。

 プラットフォームの更なる進化の側面として、業務データやプロンプトを外部に送信せず、専用環境で利用できるクローズドAIエージェントをEXAWIZARDSと共同開発した。これによりソブリンティを確保しながら高度なAI活用ができる環境を提供可能としている。

 今後はAIとデータをつなぐことができる「Trusted Data Fabric」を展開し、AIを統制する「Trusted AI」、AIの身元証明や認証/認可を行う「Trusted Identity」、データを保護しながら活用可能にする「Trusted Data Access」の3つの機能を提供予定だ。

Trusted Data Fabricのイメージ[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 また、NTTドコモビジネスは、AI用のデータセンターとしてコンテナ型DC(データセンター)を提供しているが、この取り組みをさらに加速させるために企業が所有する遊休地を活用してコンテナ型DCを中心とするAIデータセンターを拡大する。2027年秋には東京電力パワーグリッドと連携し、複数のコンテナ型データセンターから成る「コンテナDCパーク」を都内に展開予定だ。「分散コンピューティングを実現するためにはGPUの組み合わせや使い分けが重要であり、コンテナ型DCは不可欠な要素となる。既にさまざまな企業と協議を進めている」(小島氏)。

コンテナDCパークの詳細[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 重点4領域の更なる強化の側面では、AI実装人材の強化を進める。NTTドコモビジネスが有するAI活用人材1万4000人をベースに、このうち5000人体制で地域の中小企業向けにAI活用を支援する「FDEライト」を展開する。これに加え、構想から実装/運用までを一気通貫で支援する「業界特化FDE」を現在の数百人規模の状態から2027年中に1000人規模へと拡大することを目指す。

 さらに、NTTグループの総合力を生かしてサイバーリスク対応をより強化する。具体的にはNTTデータと協業し、フロンティアAIなどマシンスピードを活用したサイバー攻撃に対処するため、自律的に脅威や脆弱(ぜいじゃく)性を発見して、対策を講じる仕組みを提供する。

NTTデータとの協業内容[クリックで拡大] 出所:NTTドコモビジネス

 パートナリングの更なる強化の側面では、共創による産業/地域のAX(AIトランスフォーメーション)実装力の強化と新しい市場の拡大を進める。製造業の事例としてはMujinとNTTドコモビジネスが協業し、Mujinが所有するデジタルツイン技術とNTTドコモビジネスの映像AIプラットフォームを組み合わせ、現場データを基に設備やロボット、人が連携しながら、さらなる業務改善/最適化/自律化を目指した取り組みを進めている。

 また、さまざまな自治体ともAI-Centric ICTプラットフォームを活用した地域課題解決を推進している。自治体パートナーも着実に広がっており、地域DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に向けた協定締結を進めているという。小島氏は「パートナープログラムを通じて顧客基盤を拡大している。現在パートナー数は200社となっており、パートナー経由の収益比率を2035年度には50%まで高めたい」と語る。

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