パナソニック マニュファクチャリング アユタヤでは日本の津工場からグローバル共通の思想である「五設一体」と「一貫内製化」を受け継いでいる。
五設一体は、企画、商品設計、工法設計、設備/金型設計、工程設計の5つの部門が製品開発の初期段階から緊密に連携することで、品質の向上と開発期間の短縮を図る考え方だ。一貫内製化は、材料/金型/部品/組み立て/品質検査までの工程を自社で保有し、一気通貫して行うモノづくりの考え方となる。
「良い商品は良い部品から、良い部品は良い金型から」という思想の下、開発と製造が密に連携し、品質ノウハウが社内に蓄積することで、問題発生時も早い対応が可能になる。
配線器具は金属部品とプラスチック部品で構成される。いずれも工場内で原材料から成形して部品にし、それらを組み立てることで製品が完成する。その中で、多様な製造技術が1個1個の部品に使われている。
プラスチック部品は、熱を加えると溶け、冷やすと固まる熱可塑性樹脂と、熱を加えると固まる熱硬化性樹脂の2種類が使われている。例えると、何度でも加熱して形を変えられる熱可塑性樹脂は“チョコレート”であり、一度固まると熱を加えても溶けない熱硬化性樹脂は“クッキー”になる。
高い成形性を持つ熱可塑性樹脂は複雑な形状や意匠性が求められる外観部分に、耐熱性や難燃性など安全性が重視される通電部分には熱硬化性樹脂を用いている。
金属部品は加圧能力40〜100t(トン)までの13台の順送プレス機が、ロール状に巻かれた状態の銅を1個1個の部品に仕立てる。生産能力は月産3500万個に上る。
銅は巻き癖を矯正しながらプレス機に投入される。順送プレス機の中でリズミカルな音を刻みながら、穴あけや曲げ、抜き加工が行われ、部品となって次々と排出されていく。連続してプレス加工するため、送り出すピッチのわずかなずれやプレスした際の“抜きかす”の詰まりによって、金型が破損したり、機械が停止したりしてしまう。そのため高い精度が求められ、技術的なハードルが高く、競合他社の参入障壁になっている。
「部品の精度が甘いと、コンセントに差しても緩くて落ちてしまったり、逆に硬くてコンセントに入れづらかったりといった不具合が生じる可能性がある。現場でのこだわりが、ユーザーの安心、安全、快適につながっている」(パナソニック マニュファクチャリング アユタヤの佐田光氏)
スイッチのカバーなど熱可塑性樹脂の成形に関しては、型締め力40〜220tの計43台の射出成形機が稼働しており、月産1800万個という生産能力を持っている。
樹脂を金型に流し込む経路に沿ってできるランナーと呼ばれる枝状の端材は、金型から部品を取り出すロボットがハサミ状のユニットによって自動で切り離す仕組みになっている。切り離されたランナーは、隣接する粉砕機に入れられ、細かく砕かれて再び成形材料として100%再利用されている。
熱硬化性樹脂の成形については、型締め力50〜100tの計41台の圧縮成形機が設置されており、月産2000万個の生産能力を持つ。
ペレット状の材料を溶かして金型に流し込む射出成形と異なり、圧縮成形では粉状の原料を高温に熱した金型に入れ、焼き固めるように圧力をかけて部品にする。射出成形のようなランナーはできないが、金型の隙間からはみ出た樹脂が、部品の周囲に薄い花びらのようなバリとなって残ってしまう。
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