データの安全な共有と活用を実現する「データスペース」については、国際相互運用に向けて、世界の主要な通信会社が連携を開始する動きが出てきている。データ共有の国際標準化を推進するIDSAに参加するドイツのドイツテレコム、オランダのKPN、そして日本のNTTが新たに「Telco Community」を結成し、グローバルなデータ流通の基盤構築に向けた取り組みを進めている。
通信会社は、ユーザーと回線契約を結ぶ際に厳格な実在性や本人性の確認を行い、実際の通信時にも認証と居場所の特定を行う。そのため、技術面では、各企業がデータスペースを利用して国際的に通信する際に、「デバイス×通信回線×VC」による強固なトラスト(信頼)を構築することが可能だ。
政府保証証明書などの本人証明書(トラストアンカー)や各種VCを、通信回線とひも付いた個人用や法人用のIDウォレットで安全に管理することにより、ドローン、ロボット、スマートフォン、AIなどのさまざまなデバイスが、国境を越えたグローバルデータスペース上で安全にデータをやりとりできる高信頼のセキュアな仮想ネットワークが実現する。
重要性が高まるデータスペースだが、その接続にはこれまでさまざまな課題が存在していた。参加資格の取得や、コネクターの設定、ユースケースアプリケーションの導入、海外の事業者との煩雑な契約手続き、さらには自社システムをインターネットを介してデータスペースとつなぐためのサイバーセキュリティ対策などだ。これらを解決するためには、高度で専門的な知識が求められ、製造業などユーザー企業のオペレーターが対応するには大きな負担があった。
この課題を解決すべく、NTTドコモビジネスは2026年2月に“かんたん、セキュア”にデータスペースに接続できる「データスペース接続ハブ」のプロトタイプを公開した。これは、データスペース接続に必要な機能をワンストップで統合したソリューションだ。
このシステムは「操作の簡略化」を実現し、ドラッグ&ドロップのみでデータスペース上にファイルを公開することが可能だ。同時に、Secure WAN(広域通信網)やVPN(仮想プライベートネットワーク)機能を活用した「高度なセキュリティの確保」により、各拠点からデータスペースのネットワークまで安全なアクセス環境を提供する。これまで各企業が個別に行っていたネットワーク設定やシステム構築に必要な工数を大幅に削減できる。
さらに、NTTグループは、企業がビジネス上の新たな価値を創出できるよう、単なる接続環境の提供にとどまらず、以下の3つのコアサービスを展開する。
さらにNTTグループは、次世代通信基盤「IOWN」と組み合わせた「耐量子セキュアデータスペース」の構想も推進しており、量子コンピュータによる解読リスクにも対応する、高安全性のデータ流通基盤の研究開発を進めている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
製造マネジメントの記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム