STEP 2の周囲状況確認の遠隔化ではランニング/イニシャルコストの視点から拠点に合わせて手段を選択した。
防府工場のエネルギーセンターでは当初、市販の無線カメラを用いたが電波が届かなかった。そこで、国内で利用可能になったばかりのWi-Fi HaLow(ヘイロー)を活用したRaspberry Pi(ラズベリーパイ)とカメラの組み合わせを検証したところ、屋外ではほとんどのエリアをカバーできることが分かった。なお、敷地が広い広島本社のエネルギーセンターでは、犬型四足歩行ロボットのSPOTを導入し、自動巡回を行っている。
STEP 2の通信の確保と並行して、STEP 3では異常判定の自動化を目指して、発見AIモデルの作成も内製した。AIモデルはラズベリーパイにアドオンして使用できる画像解析特化ツールであるAI HATを活用し、石炭や蒸気、灰の漏れを検知できると予想し、身近なものからAIモデルを検証した。マツダのエンブレムを使った試験検証を通して、検知精度が高いことが分かり、本番検証として石炭漏れ学習データを集めて、石炭漏れ検知AIの作成に取り掛かった。
STEP 1〜3の取り組みでデータを遠隔で取得し、異常を判定できるようになった。STEP 4では、そのデータを活用し、補修工事を手配する時の資料作成を自動化する検討を行った。
今回は、生成AIを活用した仕様書の自動生成に取り組んだ。仕様書には、施工業者に依頼する補修工事の内容が書かれている。これに対して、LLM(大規模言語モデル)とRAG(検索拡張生成)を活用し、これまで蓄積してきた知見、技術、ノウハウを瞬時かつ網羅的に反映できるか、適用可能性を検討した。なお、この活動は社外共創活動としてIVI(Industrial Valuechain Initiative)で実証実験を行った。
結果として、内容がほぼ変化しない工事の仕様書は実装可能レベルだったものの、工事の度に内容の取捨選択が必要な仕様書については、十分な出力レベルには至らなかった。これらを受けた、対話モードのさらなる拡充に向けた方法や将来的に古くなっていくデータの整理整頓方法などの課題があることが見えてきた。
そして今後の目標として、これまでの取り組みをもとに「フィジカル=現場」と「サイバー空間」をつなぐCPS(サイバーフィジカルシステム)を実現させ、より効率的で最適な業務を目指すとしている。
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