Sceneは、製造業向け統合ワークスペース「Scene Workspace」に、3D CADデータから組立工程や組立手順書を作成するAI活用機能をβ機能として搭載した。デンソーの工機部と共同開発したもので、設計、生産技術、製造の連携を1つの基盤でつなぐ。
Sceneは2026年6月30日、製造業向け統合ワークスペース「Scene Workspace」に、3D CADデータから組立工程(M-BOM)や組立手順書を作成するAI(人工知能)活用機能を、β機能として搭載したと発表した。デンソーの工機部と共同開発したもので、設計、生産技術、製造の連携を1つの基盤でつなぐ。
Scene Workspaceは、3D CADデータを起点に、組立設計から現場運用までを1つのワークスペースでつなぐ業務基盤だ。製品設計で作成した3D CADデータを設計、生産技術、製造の各部門でレビューし、課題を一元管理できる。さらに、3Dの組立工程やM-BOMの作成、組立工程のレビュー、組立手順書の生成、試作や量産試作時のフィードバック収集までを支援する。
今回搭載したAI活用機能は、設計後に発生する組立の工程検討や指示書作成を支援するものだ。従来、熟練者が3Dモデルを確認しながら手作業で積み上げていた工程検討や手順書作成を、AIによるドラフト生成と人によるレビューの組み合わせに置き換える。これにより、属人化しやすい工程を効率化し、熟練者が判断などの付加価値の高い業務に集中しやすくする。
Scene Workspaceでは、3D CADデータをWebブラウザ上で扱える。専用のCADツールを使わずに3Dモデルを確認し、注釈や手順、アニメーションを付けて閲覧できる。そのため、設計部門だけでなく、生産技術や製造現場でも同じ3Dデータを基に情報を共有しやすい。
同社はScene Workspaceについて、コストと品質に大きく影響する製品設計や工程設計の上流フェーズを対象とした統合ワークスペースと位置付ける。組み順、M-BOM、組立手順書などの資料作成を効率化する他、設計、生産技術、製造の間での非同期の知見集約、設計意図やトラブル情報の蓄積、関連データの連動変更などを支援する。
導入効果として、自動車部品メーカーで図面の形状ミスを96%削減した事例や、セイコーエプソンで半年での投資回収と投資対効果(ROI)の向上を達成した事例がある。新明工業では、組立手順書の作成工数を従来の3分の1に短縮し、非付加価値業務を66%削減した。輸送機器メーカーでは、ライン停止を19%削減したという。
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