2019年1月7日、テスラは上海市臨港産業区で新たなギガファクトリー(ギガファクトリー上海)の建設開始を発表した(図9)。中国企業との合弁を行わない外資単独の自動車工場の第1号で、新工場の最大生産能力は50万台で、モデル3とモデルYを生産する。総投資額は500億元(約8000億円)に上る。
2019年4月22日、NVIDIAから供給されていた自動運転用の半導体を、自社設計の半導体に切り替えたと発表。
同年12月30日には、ギガファクトリー上海でモデル3の出荷がスタートし、初日は15台が出荷された。最終的には年間50万台のEVを生産する能力を持つことになる。
テスラは2019年3月、モデル3をベースにした中型クロスオーバーSUV「モデルY」を発表した(図10)。モデルYは、外形寸法が全長4760×全幅1925×全高1625mm、車両重量が1930〜2000kg。5人/7人乗りの構成で、シングルモーターの後輪駆動またはデュアルモーターの全輪駆動レイアウトを用意している。
モデルYは、以下のような特徴がある。
モデルYのプロトタイプは2019年3月に初めて公開され、納車は2020年3月に開始した。なお、テスラの2020年の世界車両販売台数は前年比35.8%増の49万9550台となり、2021年には100万台の大台を突破した。
なお、モデルYのリアアンダーボディーとフロントアンダーボディーはギガキャストによって製造された。モデル3では同じ箇所の部品点数は171あったが、これらをわずか2つに減らすことに成功した。
2019年5月16日、テスラはMaxwell Technologiesの買収完了を発表した。同社は45年以上に渡りエネルギー貯蔵と電力供給ソリューションの開発、製造およびマーケティングを展開してきた企業。蓄電技術の一種であるスーパーキャパシター(ウルトラキャパシター)の開発などを手掛けている。
2019年7月〜2020年6月まで、テスラは初めて4四半期連続の黒字を報告し、S&P500の構成銘柄リストへの組み入れ資格を得た。2020年には株価が740%上昇し、時価総額が最も大きい自動車メーカーとなった。2〜10位まで9社の自動車メーカーの時価総額合計を上回るほどで、米国で6番目に価値のある企業となった。そして2020年12月21日、S&P500のリストに追加された。
テスラは2019年11月21日、全電動ピックアップトラック「サイバートラック」を発表した(図11)。シングルモーターRWD(3万9900ドル)、デュアルモーターAWD(4万9900ドル)、トライモーターAWD(6万9900ドル)の3種類が用意された。
サイバートラックの主な特徴は、ステンレススチール製の外装骨格、ステアバイワイヤと後輪操舵、高強度ガラス、エアサスペンションによる車高調整、そして強力なけん引能力である。これらの特徴が、高い耐久性、スポーツカーのような操縦性、そして多様な路面状況への対応力を実現している。
2019年11月12日、テスラはドイツのギガファクトリーベルリン−ブランデンブルクの立地を正式に発表した(図12、図13)。
2022年3月、図14に示すように、テスラのギガプレスのサプライヤーであるIDRAグループは、同社初の9000トンダイカストマシンのティーザーを公開した。また、同社のLinkedInのページにその写真を掲載し、その前に立つ従業員と合わせてその圧倒的なスケールを披露した。従業員の身長を約1.8mすると、機械の高さは約7.6mと推定される。
IDRAグループは9000トンギガプレスの受注先を明らかにしていないが、テスラ向けである可能性が高い。同社は2021年、8000トンギガプレスを「新エネルギー車のリーディングカンパニー」から受注したと発表している。
8000トンギガプレスはサイバートラックの鋳造品の生産に使用される見られていたため、9000トンギガプレスはテスラがサイバートラックの仕様を更新して当初考えていたよりも大きな機械を必要としたか、あるいは何か別のことを計画している可能性がある。例えば、テスラ セミの製造や1回の鋳造で車両全体を製造するといった用途が想定される。
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