ヘルスケア事業の2026年3月期の売上高は、前期比0.4%減の1453億円、営業利益は同11.8%減の154億円だった。中国の血圧計市場が停滞したが、新商品の投入などで売上高は前期並みを確保した。ただ、米国の関税施策の影響が利益を押し下げた。
2027年3月期は血圧計はグローバルで堅調に推移するが、各地域で低価格化が進行。ネブライザー(吸入器)も需要が一巡し、横ばいになると見る。そのため2027年3月期(IFRSベース)の売上高は前期比3.3%増の1500億円、営業利益は同26%増の150億円を見込む。
社会システム事業の2026年3月期の売上高は前期比0.5%増の1443億円、営業利益は同28.6%増の197億円だった。住宅向けの蓄電池需要が横ばいとなった。2027年3月期(IFRSベース)の売上高は同6.1%増の1530億円、営業利益は同18.7%増の225億円を計画する。住宅向け再生可能エネルギー設備需要は補助金を背景に堅調に推移するほか、鉄道会社の設備投資も堅調に推移すると見る。
データソリューション事業の2026年3月期の売上高は前期比19.7%増の512億円、営業利益は27.6%増の36億円だった。2027年3月期(IFRSベース)は売上高620億円、営業利益50億円を見込む。
データヘルス領域では、ビッグデータを活用して疾患の発症前や重篤化前にリスクを捉え、予防行動につなげるソリューションの実用化を進めている。中でも、生活習慣病と睡眠関連疾患については既に精度検証を完了している。
特に睡眠時無呼吸症候群は、潜在患者の9割以上が未診断、未治療とされている中、オムロンと子会社化したJMDCのデータを活用した疾患リスク予測アルゴリズムによって、特別な検査器具を用いなくても検診データや日常のバイタルデータを基にリスクを可視化することが可能になっている。「これにより自覚のなかった方でも早い段階で受診や治療が可能となり、睡眠の質改善に加え、放置による高血圧や脳血管疾患など重大な健康リスクの低減にもつながる」(辻永氏)。
国内で1000万人の予備軍がいるといわれる痛風についても、疾患リスク予測アルゴリズムで発症前の段階でリスクを捉えられるとする。それによって生活習慣の改善など早期の予防行動が可能になり、発症そのものの防止につながるという。
電子部品事業はまずオムロンデバイスに承継させ、オムロンデバイスの全株式をカーライル側に2026年10月に譲渡する。
辻永氏は「オムロンの祖業であるからこそ、電子部品事業をこれからも発展させ、お客さまに信頼を得て、期待される事業にしていきたいという思いは社長就任以来持っていた。ただ、オムロンの中でそれが実現できるのかが一番大きな悩みだった。オムロンは今、GEMBA DX企業への転換を掲げ、データを基盤としたサービス、ソリューションへと転換しようとしている。その大きな流れの中で、電子部品事業とのシナジーを創出するのは非常に難しい。また、われわれのスピード感、投資規模では電子部品市場でいずれおくれをとり、競争力を失うという危惧もしていた。そこで苦渋の決断だが、新たなパートナーを探し、成長させる道を選んだ」と述べた。
なお、中東情勢の影響については、物流費の高騰などから2027年3月期は全体で30億円程度を現状見込んでいる。
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