では、設計に故障モードを落とし込むにはどのような手法があるのでしょうか。
FMEAで整理した故障モードは、そのままでは「現象の一覧」に過ぎません。ここから一歩進め、設計に反映させるためには、故障モードを設計パラメーターに変換する必要があります。
これが「DFMEA(Design Failure Mode and Effects Analysis:設計故障モード影響解析)」の役割です。FMEAが故障リスクを整理する手法だとすれば、DFMEAはそれを設計変更に結び付けるための考え方と捉えると理解しやすいでしょう。
ここでは、FMEAで整理した内容を設計視点で具体化するものとして、DFMEAを説明します。
具体的には、次のようなステップで進めます。
まず、故障モードを「機能の崩れ/機能低下」として再定義します。
例えばベアリングであれば、
と捉えます。
このように、単なる現象ではなく「何が成立しなくなるのか」を明確にします。
次に、その原因を設計で制御可能な要素に分解します。例えば、
といった要素です。
ここでのポイントは、必ず設計変更で対応可能な形にすることです。
さらに一歩進めて、以下のように設計値として扱える形にします。
この段階で初めて、図面や3Dモデルにパラメーターとして落とし込める状態になります。
ここまでの検討はあくまで仮説です。本当にその対策が有効かどうかは、検証しなければ分かりません。試作/製作時に検証を行うことが一般的ですが、筆者として推奨するのが、CAEによる検証です。
FMEA/DFMEAで整理した故障モードや設計パラメーターを、CAEでどう検証につなげるかも、信頼性設計では重要な考え方です。
次回は、このCAEによる検証まで含めて考えるDFMEAについて、さらに詳しく解説します。お楽しみに! (次回へ続く)
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