オートデスクは、プロフェッショナル向け3D CADソフトウェアの最新バージョン「Autodesk Inventor 2027」を発表した。AI支援、ノーコード自動化、設計資産の再利用などの強化により、設計プロセスの無駄を削減し、生産性向上と創造的活動の促進に寄与する。
Autodesk(オートデスク)は2026年4月21日、プロフェッショナル向け3D CADソフトウェアの最新バージョン「Autodesk Inventor 2027」(以下、Inventor 2027)を発表した。同年3月から提供を開始しており、サブスクリプションユーザーは順次利用可能となっている。
Inventor 2027では、AI(人工知能)エージェント「Autodesk Assistant(テクノロジープレビュー)」の導入をはじめ、設計効率を高める機能強化やパフォーマンス改善につながる多数のアップデートを含む。
Inventor 2027の主な強化ポイントは以下の通りだ。
設計者はAutodesk Assistantを介し、自然言語で質問や指示をするだけで必要な結果を得られる。従来のように複数のコマンド操作やスクリプトの記述を必要とせず、自然言語インタフェースによって日常業務で発生する反復作業や情報整理の効率化が図れる。例えば、モデルの分析、モデル状態の作成、コンポーネントの抑制、パラメーター生成などを直感的に実行できる。AIを設計プロセスにおけるパートナーとして位置付け、設計者がより創造的な作業に集中できるよう支援する。
さらに、自動化機能「iLogic」が進化し、新たにビジュアルプログラミング機能「コードブロック」を導入した。ドラッグ&ドロップでパラメーターや条件、処理を組み合わせることで、ノーコードで設計自動化ロジックを構築できる。生成されるiLogicコードをリアルタイムで確認できるため、初心者から上級者まで段階的に活用できるようになっている。
直感的なキャンバス操作とプロパティパネルにより、サイズや方向、配置を柔軟に定義できるスロット機能も新たに導入した。標準、皿穴、座ぐりなどのオプションにも対応し、実際の製造要件に即した設計をスムーズに行える他、プリセットやパラメトリック制御により再利用性と設計スピードの両立が可能だ。
アセンブリのミラー機能も強化し、設計意図に応じた柔軟な制御が可能となった。元データとの関連付けの維持、独立データとしての扱い、新規ファイルとしての保存など複数の選択肢に対応する。また、特定コンポーネントの除外や、関連性を維持したまま配置を変更できる「関連配置」にも対応する。これにより、複雑なアセンブリ設計でもスピードと精度を両立した設計変更を実現できる。
コンテンツセンターも進化し、従来の単一パーツに加えてアセンブリ単位での登録や再利用にも対応する。シリンダーやモーターなどの複合部品をそのままライブラリ化でき、メタデータやプレビュー、モデル状態を含めた柔軟な管理が可能となる。これにより、設計資産の再利用性が高まり、チーム全体での設計効率と一貫性の向上が図れる。
さらに、Inventor 2027では設計環境全体の底上げにつながる強化も行っている。例えば、点群機能では座標系との柔軟なアラインや断面表示に対応し、現場データを活用した設計の可能性を拡大する。トランスレーター機能の強化により、多様なCADフォーマットを活用でき、既存資産の再利用や他社CADからの移行も支援する。また、DirectX 12対応によるパフォーマンス向上やファイル操作機能の改善により、大規模データでも快適な設計環境を提供する。
Inventor 2027について、同社は「個々の機能改善にとどまらず、設計者のワークフロー全体を再定義するリリース」(ニュースリリースより)と位置付けている。AIによる支援、ノーコード自動化、設計資産の再利用、そして操作性の向上を組み合わせることで、設計プロセスにおける無駄を削減し、これまでにない生産性向上を実現するとしている。
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