ローム、東芝、日本産業パートナーズ、TBJホールディングス、三菱電機は、ロームと東芝デバイス&ストレージ(TDSC)の半導体事業、三菱電機のパワーデバイス事業の事業/経営統合に関する協議開始に向けた基本合意書を締結したと発表した。
ローム、東芝、日本産業パートナーズ(JIP)、TBJホールディングス、三菱電機は2026年3月27日、ロームと東芝子会社の東芝デバイス&ストレージ(TDSC)の半導体事業、三菱電機のパワーデバイス事業の事業/経営統合に関する協議開始に向けた基本合意書を締結したと発表した。
ロームとTDSCは2024年3月から業務提携強化に向けた協議を開始しており、東芝と東芝の親会社のTBJホールディングス、東芝の非上場化を主導したJIPを含めて協議を続けてきた。なお、ロームは東芝の非上場化に向けて合計3000億円を出資しており、将来的な協業/連携も視野に入れていた。
これまで、ロームとTDSCの協議は、国際競争力を一層強化するための施策の一つとして、半導体市況や事業環境を見極めながら慎重に議論が進められてきた。そして、ロームとTDSCの半導体事業の事業統合に関わる法的拘束力のある最終契約書の締結に向けた具体的なシナジー協議に進むことについて合意し、そのための基本合意書の締結を協議していた。今回、三菱電機が同社のパワーデバイス事業を統合する方向でこの協議に加わることになり、新たな協議開始に向けた基本合意書を締結することになった。これらの経緯から、3社の事業統合については、これまでに協議を進めてきたロームとTDSCの2社の事業統合から進めることになる。
なお、今回の基本合意は、検討開始段階であり、取引条件や事業統合の具体的内容について現時点で決まったことはなく、詳細については今後協議をしていく予定だという。
ローム、東芝、JIP、TBJホールディングス、三菱電機の各社は、協議開始の理由として「今回の事業/経営統合が世界市場で競争し得る事業規模や技術基盤を実現し、もって、わが国の半導体事業として幅広い顧客層と広範な産業分野の発展に大きく貢献するものであり、統合事業体の事業価値の最大化を実現し得るものであるという考えから合意した」としている。
ロームは、今回の発表に併せて公開した資料で、事業/経営統合の目的として「市況変動に強く持続成長可能なポートフォリオの形成」「パワー半導体時の事業基盤強化」「半導体サプライチェーンを支える意義」の3つを挙げている。
3社の半導体事業のポートフォリオを見ると、ロームが車載50%、産機14%、その他37%、TDSCが車載40%、産機28%、その他32%、三菱電機が車載12%、産機50%、その他37%となっている。事業/経営統合すれば規模が拡大する一方で、車載36%、産機28%、その他36%とよりバランスが取れた構成になり市況変動にも強くなる可能性がある。
事業/経営統合によるシナジーでは、売上高では「共同開発による新製品の早期創出」、コストでは「工場再編/統廃合による固定費削減」を最も高い効果が得られる項目として挙げた。コストでは次いで「生産集約/生産委託による生産効率向上」が入っており、今回の事業/経営統合が成った場合には、まず工場再編/統廃合が大きな議題になる可能性が高い。
3社の事業領域については、全社がパワー半導体を手掛けている以外には、ロームとTDSCがアナログ、ロジック+マイコン、小信号ディスクリートを手掛けており親和性が高いとしている。これらの他、ロームのオプトデバイス、センサー、メモリ(EEPRPM)、TDSCのカプラ、イメージセンサー、標準ロジックは相互補完的なシナジーを発揮できるという。
3社が手掛ける半導体製品の有効需要(メモリやCPUを除く)は28兆円で、事業/経営統合により世界シェアランキングは8位まで高まる。国内ではルネサス エレクトロニクスに次ぐ2位のポジションだ。
また、製品別の世界シェアランキングでは、パワー半導体が11.3%で第2位に、小信号ディスクリートも14.9%で第2位に入り、グローバルトップクラスになるとしている。
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