エンプラが半導体製造装置用途で堅調も三菱ケミカルGは減収減益、要因とは製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2026年02月06日 07時00分 公開
[遠藤和宏MONOist]
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コークス市況は供給過剰

 MMA&デリバティブズセグメントの売上高は同18%減の2638億円で、コア営業利益は同95%減の16億円となった。同セグメントのコア営業利益は、MMAモノマーなどの市況下落による売買差の悪化や、総じて需要が減退したことに伴う販売数量の減少などにより、前年を下回った。

 同セグメントは、MMAサブセグメントとコーティング&アディティブスサブセグメントで構成される。MMAサブセグメントでは、MMAモノマーなどの市況下落や、需要が減退したことに伴う販売数量の減少などにより売上高は減った。コーティング&アディティブスサブセグメントでは、塗料、接着剤、インキ、添加剤用途などの需要が減退したことで販売数量が減り、売上高が減少した。

MMA&デリバティブズセグメントのコア営業利益増減分析 MMA&デリバティブズセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントの売上高は同24%減の5930億円で、コア営業利益は29億円の損失となった。同セグメントは、マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントや炭素サブセグメントで構成される。

 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントのコア営業利益は、マテリアルズ&ポリマーズにおいて在庫評価損益が悪化したことやインフレなどに伴うコスト増加の影響があった。しかし、ポリオレフィンなどにおける原料と製品の価格差の拡大や、炭素事業における在庫評価損益の改善、構造改革による売買差改善、コスト削減などにより、前年を上回った。

 マテリアルズ&ポリマーズサブセグメントでは、高純度テレフタル酸事業における特定子会社の株式譲渡や、原料価格の下落に伴う販売価格の低下、ポリオレフィンなどの販売数量減少、為替の影響などにより、売上高が減った。

 炭素サブセグメントでは、コークス事業における特定子会社の株式譲渡の影響やコークス生産能力縮小に伴う販売数量の減少、原料価格の下落及び需要の低迷に伴うコークスの販売価格低下などにより、売上高が減少した。

 木田氏は「2026年2月2日に公表した通り、コークスおよび炭素の事業からの撤退を決定した。中国における過剰生産などを原因とした供給過剰で、海外コークス市況の低迷が長期化している。この構造的な問題は解消される見通しが立っておらず、当社の品質優位性をもってしても、中長期的な成長を実現することは困難であると判断した。これに伴い、第3四半期において約190億円の非経常損失を計上している。設備撤去費用などとして約660億円を2026年3月期第4四半期に計上する予定だ」と述べた。

ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントのコア営業利益増減分析 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 ケミカルズ事業の売上高は同13%減の1兆7450億円で、コア営業利益は同22%減の412億円だった。同事業では産業ガスセグメントを展開している。

 産業ガスセグメントの売上高は同3%増の9923億円で、コア営業利益は同5%増の1444億円となった。同セグメントでは、国内外の需要が軟調に推移したことで減販があったが、為替の影響や各地域で推進する価格マネジメントの効果があった。さらに、欧州におけるプラントエンジニアリング会社やオーストラリアとニュージーランドにおける産業ガス事業の買収などで、売上高が増加した。

産業ガスセグメントのコア営業利益増減分析 産業ガスセグメントのコア営業利益増減分析[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

 同セグメントのコア営業利益は、米国における電力単価などの上昇や欧米を中心とした数量差の悪化はあったが、価格マネジメントとコスト削減の効果により増加した。

事業セグメント別の売上高とコア営業利益 事業セグメント別の売上高とコア営業利益[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

期待されるスペシャリティマテリアルズセグメント

 足元の市況を踏まえて、2026年3月期通期業績予想に関して、営業利益は前回予想比60%減の700億円に、親会社の所有者に帰属する当期利益は同62%減の470億円に下方修正。セグメント別では、スペシャリティマテリアルズセグメントの売上高は同450億円減の1兆650億円に下方修正し、コア営業利益は同190億円増の650億円に上方修正した。

 MMA&デリバティブズセグメントの売上高は同270億円増の3470億円に上方修正し、コア営業利益は同220億円減の10億円の損失に下方修正。ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントの売上高は同460億円減の8070億円に、コア営業利益は同110億円減の10億円の損失に下方修正した。ケミカルズ事業の売上高は同680億円減の2兆3900億円に、コア営業利益は同150億円減の610億円に下方修正した。

 木田氏は「期待しているのはスペシャリティマテリアルズセグメントだ。ロボタクシー(自動運転タクシー)向けの炭素繊維コンポジットやフィルムの他、半導体関連の製品を成長させ、事業の『幹』を太くすることが重要だと考えている」と語った。

2026年3月期通期における事業セグメント別の売上高とコア営業利益の予想 2026年3月期通期における事業セグメント別の売上高とコア営業利益の予想[クリックで拡大] 出所:三菱ケミカルグループ

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