2026年3月期第3四半期における帝人の連結業績の売上高(売上収益)は前年同期比962億円減の6599億円で、事業利益は18億円減の238億円となり、営業利益は537億円の損失となった。同社 経理・財務管掌補佐の浜島直樹氏は「ヘルスケアセグメントでは在宅医療機器のレンタル台数の増加やライセンス対価収入などにより増益となったが、マテリアルセグメントでは大型定修の影響や販売構成の悪化、アラミドペーパー事業の損益除外により減益となった。米国の炭素繊維工場の一時休止などに伴う減損処理を実施している」と触れた。
セグメント別では、マテリアルセグメントの売上高は同829億円減の2594億円で、事業利益は同14億円減の5億円となった。アラミド事業や炭素繊維事業のコスト構造改革が順調に進捗しているが、大型の定期修理(定修)や販売構成の悪化などにより減益になったという。
「樹脂事業は、事務機器用途を中心に販売量が若干減少しているが、スプレッドの維持などでその落ち込みをカバーして、ほぼ前年並みの状況だ。炭素繊維事業とアラミド繊維事業は前年差で減益となった。炭素繊維事業は、販売数量が減少し、その影響で工場の稼働率が低下した。汎用品用途を中心に販売価格の下落も生じた。コスト構造改革によって一定程度巻き返したが、残念ながら挽回できず、前年度差で減益となった。アラミド繊維事業は、第1四半期第を中心に大型定修を実施した関係で、工場の稼働率が低下した。販売価格低下の影響も受けた。複合成形材料事業は、2025年度に実施した収益性改善効果が定着したことに加えて、北米事業の譲渡に伴い赤字を解消した。そのため、増益を達成している」(浜島氏)。
繊維・製品セグメントの売上高は同76億円減の2586億円で、事業利益は同19億円減の132億円だった。全体の販売数量は堅調に推移したが、前年度の前倒し出荷や一部用途で弱含みが影響し、減収減益となった。
浜島氏は「繊維・製品セグメントの製品の販売数量は全体的に堅調に推移した。一方、衣料品向けのテキスタイルについて、前年度に前倒しして中国に出荷した影響や、自動車向けの一部製品で弱含みが発生し、減収減益となった」とコメントした。
ヘルスケアセグメントの売上高は同16億円増の1058億円で、同49億円増の129億円となった。持続陽圧呼吸療法(CPAP)用レンタル機器の台数増加やライセンス対価収入、固定費削減効果の発現などにより増益を記録した。
その他セグメントの売上高は同73億円減の361億円で、事業利益は同25億円減の42億円だった。セパレータとメンブレンの販売は堅調に推移したが、持分法適用会社などの減益が影響した。
2026年3月期の連結業績の見通しに関して、売上高は同1455億円減の8600億円、事業利益は26億円減の250億円と前回の発表から変更はない。しかし、マテリアルセグメントの事業利益は前回予想と比べ15億円減の15億円に下方修正し、その他セグメントは前回予想から15億円増の30億円に上方修正した。
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