ヒートポンプ式汚泥乾燥機は「省エネルギー/低温式」が特徴である。同乾燥機はガスや蒸気といった化石燃料が不要であり、省エネ乾燥と汚泥減容によってCO2排出量を削減できる。そして、簡易的な構造になっているため、安価に導入が可能だ。製品はユニット化しているため設置を簡単に行うことができ、現地工事が少なく済むのも大きな特徴である。伊藤氏は「大きな空調機やボイラーのような1つの装置を現場に持ってきてユーティリティーをつなぐイメージで使用できる」と語る。
同乾燥機は低温の循環方式で汚泥を乾燥できる密閉式の構造になっているため、臭気が外部に漏れにくくなっている。機体の材質にはSUS304を採用しており、低温稼働という特徴を合わせることで耐久性も高くなっている。関口氏は「ヒートポンプ式乾燥機は多種汚泥に適用でき、油分を含んでいる汚泥以外の無機/有機汚泥に対応できる」と述べる。
発生した汚泥の処理フローについては、既存の脱水機から出てきた汚泥を搬送装置で汚泥乾燥機に入れる。その後、同乾燥機の重要な工程としてアーチブレーカーと切断機で汚泥を細かく分散してペレット状にし、汚泥の表面積を大きくすることで乾燥効率を上げている。
これらの工程を踏んで細かく分散された汚泥は、第1層のベルトコンベヤーから第2層のコンベヤーといった形で順次搬送していく。その際に、機械内のヒートポンプ式システムによって空気を循環させることにより第1層コンベヤーに下から暖かい乾燥空気を送り、コンベヤー上に載っている湿った汚泥を除湿する。除湿後の空気は再びヒートポンプ式システムに送られ、装置内を循環する。汚泥を除湿することによって発生した水分は、凝縮水として系外に排出する構造になっている。
日本国内では、蒸気式汚泥乾燥機や電気熱源式汚泥乾燥機といった幾つかの方式が存在しているが、その中でもヒートポンプ式汚泥乾燥機は他の方式と比べた際に省エネでCO2の排出量が最も少ないという。関口氏は「乾燥効率に関しては、蒸気式と比べて約3分の1である。CO2の排出量は蒸気式と比べて2分の1、電気熱源式と比べると3分の1以下になっており、非常に省エネルギーな設備である」と強調する。
今後の展開について、パナソニック環境エンジニアリングは汚泥乾燥機を製造業以外の分野にも提供できるのではないかと検討している。伊藤氏は「汚泥乾燥機については、われわれの想定外の引き合いをもらっている。例えば、産業廃棄物として処理される予定の水分を含んだ有価物を乾燥させることで、有価物として回収できるものがかなり存在しており、顧客から問い合わせが来ている。需要があれば、今後汚泥以外の分野にも販売していきたい」と述べている。
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