近年は企業に対するサイバー攻撃が激化しており、セキュリティに関してもより強固なシステムが求められている。顧客の情報や製造工程、そして東京エレクトロンが培ってきたノウハウを守るために、同社では半導体製造装置業界におけるセキュリティガイドライン「SEMI E187」だけではなく、セキュリティが一番厳しいといわれている「欧州サイバーレジリエンス法(EU CRA)」への対応を進めている。ただし、これらのセキュリティは基本的にソースコードを組み合わせたものでしかないため、将来的にはハードウェアのセキュリティにPUF(Physically Unclonable Function、物理複製困難関数)技術の実装を検討している。
カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーへの対応も重要な課題になっている。東京エレクトロンでは、2040年までにネットゼロ(温室効果ガスの排出実質ゼロ)を目指すと宣言し、サプライヤーや顧客を含んだトータルサプライチェーンで実現を目指している。装置由来のCO2排出を削減するために、それぞれの装置群に対して最適化したアプローチを進めている。特に真空装置の電力消費削減や洗浄装置の薬液や水資源の削減に注力している。
松島氏は「装置が古くなった際の廃棄まで考えなければならない。2001年に日本で家電リサイクル法が制定されたように、製造装置に関してもリサイクルが要求される時代が来るだろうと見ており、リサイクル可能な材質の採用も並行して検討している」と指摘する。そのための取り組みとして2023年に同社がイニシアチブを取る形「E-COMPASS」を立ち上げて、ワールドワイドに展開を進めている。長年にわたり培ってきたサプライヤー、顧客との信頼関係を生かして、リサイクルまで含めた環境保全体制の構築を進めているところだ。
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