東京エレクトロン デバイスは製造業に携わる技術者/開発者向けの最新技術カンファレンス「TED TECH MEET 2025」を開催。同イベントの基調講演では、AI時代における半導体製造装置に関する東京エレクトロングループの取り組みについて紹介した。
東京エレクトロン デバイス(以下、TED)は2025年12月19日、東京都内において、製造業に携わる技術者/開発者向けの最新技術カンファレンス「TED TECH MEET 2025」を開催した。本稿では東京エレクトロン宮城 執行役員 アドバンストテクノロジーソリューション開発本部 本部長/東京エレクトロン コーポレート技術本部 革新技術開発センター センター長の松島圭一氏による同イベントの基調講演の内容を紹介する。
半導体市場はICT(情報通信技術)の普及によって爆発的な伸びを続けて来た。IoT(モノのインターネット)やクラウドコンピューティングが注目されたことによる第1期の市場成長の波から始まり、現在はAI(人工知能)や自動運転技術、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)などが市場をけん引する第2期の波が到来している。松島氏は「2030年には半導体市場規模が1兆ドル、日本円に換算すると150兆円に達すると試算されている。この市場規模の内、半導体製造装置市場に関しては全体の約10〜15%を占めている」と語る。
現在のICT産業では消費電力が課題になっている。ここ数年で生成AIの採用が進んだことにより、データセンターに対する投資がグローバル化している他、より高効率なチップが次々と誕生している。これらのチップに対して先端的な冷却技術が必要な時代へ突入し、このまま半導体需要が爆発的に増えていくと、いずれは冷却などで使用するエネルギーの上昇が問題になる。
これらのような課題がある中で、松島氏は「東京エレクトロングループではデジタル化と脱炭素を両輪とする『デジタル&グリーン』を進めていく必要があると考えている。このアプローチを続けていかないとこの先に半導体業界の未来はないと思っており、半導体の技術進化を高速化、大容量化、高信頼性、低消費電力の4つの側面で進めなければならない」と強調する。
2030年以降の半導体業界では、さまざまな技術革新が誕生するといわれている。ロジックデバイスでは次の最新技術としてCFET(Complementary Field-Effect Transistor)が注目されている。この技術はP型MOSとN型MOSを垂直に積み重ねることで、トランジスタのセルサイズを従来の構造と比べてさらに縮小でき、同じチップ面積内により多くの機能を搭載できる。
そして、CFETに電力を裏面から供給するバックサイドパワーデリバリーネットワークの技術開発も進み、最終的にはロジックデバイスとDRAMを1つに集約して搭載するチップオンウエハーへの動きがこの先加速する可能性が高いという。特にDRAMに関しては占有面積をより小さくできる3D DRAM化を進める必要がある。
松島氏は「今半導体業界で求められているのは、1nmの制御である。これは、今主流の300mm(12インチ)のシリコンウエハーが地球だとすれば、1nmはゴルフボール1個分の大きさになる。2030年頃にはゴルフボールよりもはるかに小さいパチンコ玉1個といった原子レベルの誤差しか許されない時代が到来する」と述べる。
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