ソニー・ホンダモビリティは「CES 2026」の出展に併せて、第1弾モデル「AFEELA 1」の最新状況を紹介するとともに、新モデルのプロトタイプ「AFEELA Prototype 2026」を初公開した。将来的にはVLMを用いたE2E方式のレベル4自動運転を実現し、車内をエンターテインメントを楽しむ自由な空間に変えるという。
ソニー・ホンダモビリティは2026年1月5日(現地時間)、エレクトロニクスを中心とした最先端テクノロジーの展示会「CES 2026」(同年1月6〜9日、米国ネバダ州ラスベガス)の出展に併せてプレスカンファレンスを開催し、第1弾モデル「AFEELA 1」の最新状況を紹介するとともに、新モデルのプロトタイプ「AFEELA Prototype 2026」を初公開した。
AFEELA 1は米国カリフォルニア州での納車を2026年内に開始し、続けて2027年にアリゾナ州での販売を開始する計画。日本では2027年前半に納車を開始する予定だ。一方、SUVタイプのAFEELA Prototype 2026をベースに開発する新モデルは2028年以降に米国での発売を予定している。
同社は、モビリティを「Creative Entertainment Space」へと進化させることをビジョンに掲げており、車両に搭載するAI(人工知能)である「Vehicle AI」を活用した新たな移動体験を提案している。これによって、クルマは運転主体から、ユーザーの好みや感情を理解し、移動中の時間や空間の価値を最大化する存在に変化していくという。
そのためには高度な運転支援技術の搭載が必要になる。2026年に納車を開始するAFEELA 1では、40個のセンサー(カメラ、LiDAR、レーダー、超音波センサー)と最大800TOPSのAI処理能力を持つECU(電子制御ユニット)によってレベル2+の自動運転を実現するADAS(先進運転支援システム)「AFEELA Intelligent Drive」を搭載している。今後は技術の継続的な強化を進めて、マルチモーダルの生成AIモデルであるVLM(視覚言語モデル)を統合するなどしてE2E(End-to-End)方式のレベル4自動運転の実現を目指す。これによって、車内を運転から解放されてエンターテインメントを楽しむ自由な空間へと進化させていきたい考えだ。
またVehicle AIの一環となる、対話型パーソナルエージェント「AFEELA Personal Agent」では、Microsoftの「Azure OpenAI」を活用することで個々人に最適化された自然対話を実現し、人とモビリティの関係をよりパーソナルなものに導くとしている。
AFEELA 1ではクアルコム(Qualcomm Technologies)の「Snapdragon Ride Platform」のSoCによってレベル2+の自動運転を実現しているが、今後もAI機能や運転支援技術の進化に向けてAFEELAの次世代E&Eアーキテクチャとしてクアルコムの自動車向けプラットフォーム「Snapdragon Digital Chassis」を採用する方針である。
車内をエンターテインメントを楽しむ自由な空間にするためには豊富なコンテンツが必要不可欠だ。ソニー・ホンダモビリティは、社外のクリエイターとモビリティの可能性を拡張していく取り組みとして「AFEELA 共創プログラム」を展開し、車内のテーマやアプリなど、車内エンターテインメントの開発に必要な情報を公開していく方針である。また、移動体験に変革をもたらす新しい車内アプリケーションや、AFEELAと連携する外部サービスを構築できるよう、クラウドAPIの公開やIVI(車載インフォテインメント)上のAndroidアプリケーションの開発環境の整備も進める。
よりオープンな共創を加速するため、暗号化技術に基づくトークンによるインセンティブモデルを活用したオンチェーン型のモビリティサービスプラットフォームも構築していく。「X-to-Earn」をコンセプトに、モビリティサービスの「アイデア着想」「開発」「利用/評価」の3つのサイクルからなるエコシステムを目指しており、同社以外の自動車メーカーやサービスプロバイダーにも開放していく予定である。
なお、CES 2026の会場では、AFEELA 1の先行量産車とAFEELA Prototype 2026の展示に加えて、車内をエンターテインメント空間に変えることをイメージした「エンタテインメントスイートコーナー」を展開。同コーナーでは、Q-Gamesと開発した次世代ナビゲーションコンセプトのデモを体験でき、ソニーグループのモビリティ事業部門が開発中のクルマで楽しむRPGゲームアプリのプロトタイプなども展示されている。
ソニーグループの展示では、AFEELA 1に搭載されるソニーセミコンダクタソリューションズのLiDAR向けSPAD距離センサー「IMX479」や車載イメージセンサー「IMX623」のジオラマを使ったデモや、ソニーが開発した車載オーディオシステム「AFEELA Immersive Audio」の没入感のある立体音響を疑似的に体験できるデモを紹介している。
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