一方、NTTとNTTドコモビジネスは、今回のMujinとの資本業務提携により、NTTグループの先端技術やAI時代に最適化されたプラットフォーム、統合的なインテグレーションの能力を、MujinOSに代表されるMujinの制御技術/実装ノウハウなどと組み合わせることで
安心/安全なロボット自動化ソリューションの提供やフィジカルAIによる自律的な自動化社会の実現を進めていく考えだ。NTT 執行役員 研究開発マーケティング本部 アライアンス部門長の爪長美菜子氏は「工場や物流の業界はもちろん、これまで導入が難しかった領域にもロボットの自動化を推進していきたい」と述べる。
また、NTTドコモビジネスは、AI時代に最適な次世代ICTプラットフォームである「AI-Centric ICTプラットフォーム」構想を掲げており、多様なセキュリティ機能とネットワーク機能を統合した、高品質で柔軟性のあるNaaS(Network as a Service)をはじめ、データセンター、マネージドサービスなどを提供している。NTTドコモビジネス 執行役員 ビジネスソリューション本部 ソリューションサービス部長の山下克典氏は「フィジカルAIやデジタルツインを支えるインフラには、柔軟、安全、分散という3つの要件が必要になる。AI-Centric ICTプラットフォームであればこれらを実現可能だ」と説明する。
Mujinとの協業では、AI-Centric ICTプラットフォームに基づくICTインフラの提供に加え、MujinOSを組み込んだロボットなどの自動化システムと作業者である人との連携に必要なDX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションを提供し、顧客へのコンサルティングやデジタルBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)なども協力して進めていく。「Mujinとの協業によるシナジー創出で、NTTドコモビジネスとして今後5年間累計で500億円以上の収益増加を目指したい」(山下氏)としている。
MuijnとNTTグループの将来的な協業の方向性としては、Mujinの得意とする製造/物流領域では人が介在しない「完全自動化」と、製造/物流領域以外への多様な産業における自動化/フィジカルAIの実現がある。Mujin 共同創業者のロセン・デアンコウ氏は「完全自動化のためには、運用管理、例外処理、復旧などさまざまなプロセスを遠隔操作で自動で行えなければならない。そこで重要な役割を果たすのが、企業の経営判断と現場を結び付けるデータセンターだ。MujinのデジタルツインとAI技術を、NTTグループのインフラを組み合わせれば、完全自動化という素晴らしい未来への一歩が踏み出せるようになる」と述べている。
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