日本電波工業は、車載狭偏差に対応する水晶振動子「NX1612SA」を開発した。自社育成の水晶原石と独自のフォトリソ加工技術の採用により、1612サイズながら−40〜+125℃において±40ppmの周波数安定度を達成した。
日本電波工業は2025年9月30日、周波数安定度を大幅に向上し、車載狭偏差に対応する水晶振動子「NX1612SA」を開発したと発表した。既にサンプルを出荷しており、2026年4月から量産を開始する。
車載通信システムの高機能化、高精度化に伴い、水晶振動子をはじめとする小型高精度のタイミングデバイスは、今後一層の需要拡大が見込まれる。
NX1612SAは、自社育成の水晶原石と独自のフォトリソ加工技術の採用により、小型の1612サイズ(1.6×1.2×0.3mm)ながら−40〜+125℃において±40ppmの周波数安定度を達成した。また、加工プロセスの最適化によりコンタミネーションを低減し、長期的な信頼性を確保している。
公称周波数は24M〜96MHzに幅広く対応し、等価直列抵抗は50〜150Ω。主な用途として、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転関連機器の他、Bluetooth Low Energy、Wi-Fi、イーサネット、UWB(Ultra Wide Band)などを用いる通信機器向けを想定する。
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