日本電波工業は、「MEDTEC Japan 2017」において、スマートフォンにつなげるだけで超音波画像を撮影できる「回路内蔵超音波プローブ」を展示した。
日本電波工業は、医療機器設計/製造の展示会「MEDTEC Japan 2017」(2017年4月19〜21日、東京ビッグサイト)において、スマートフォンにつなげるだけで超音波画像を撮影できる「回路内蔵超音波プローブ」を展示した。
同社は、電子回路に用いられる水晶振動子のメーカーとして広く知られているが、超音波診断装置メーカーに、超音波を送受信する回路を組み込んだ超音波プローブを納入する、医療機器用部品のサプライヤーとしても知られている。
今回展示した回路内蔵超音波プローブは、部品サプライヤーから医療機器メーカーへと歩みを進めた第一歩になる製品となる。外観は、医療機器用部品としての超音波プローブとほぼ同じである。しかし、超音波画像を表示するための信号処理回路も内蔵しており、専用アプリを組み込んだタブレット端末に接続すれば、簡易な超音波診断装置になるのだ。
「本体重量は180gと軽く、タブレット端末との組み合わせで超音波診断装置の普及機レベルの画像を見られる。介護や看護といった、現時点で超音波診断装置が導入されていない市場をターゲットに開発した」(同社の説明員)。2016年6月から日本シグマックスが販売しており、これまでに数百台が売れているという。価格(税別)は、タブレット端末を含めて16万9900円で、病院で用いられている据え置きの超音波診断装置よりもはるかに安価だ。
今回の展示では、医療機器用部品のサプライヤーとして開発中の超音波プローブも披露した。きめ細かな超音波画像を撮像できる中心周波数13MHzの高周波センサーや、帯域幅を従来比で30%広げた広帯域センサーなどだ。2017年内にサンプル出荷する予定である。
同説明員は「当社は確かに部品メーカーだが、これからの時代は部品だけをやっていてもダメだと考えた。回路内蔵超音波プローブのように、これまでの殻を破ることで、部品メーカーとしてのレベルも高めていけるはずだ」と述べている。
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