日本製鉄が米国の子会社であるUSスチールで、持続可能な製鉄所への転換を加速する。今回、モンバレー製鉄所へのスラグリサイクル設備の導入や、ゲーリー製鉄所の熱延設備改造といった設備投資計画が承認された。
日本製鉄は2025年9月25日、米国の子会社であるUnited States Steel(以下、USスチール)の取締役会が、ペンシルバニア州モンバレー製鉄所におけるスラグリサイクル設備導入や、インディアナ州ゲーリー製鉄所の熱延設備改造といった設備投資計画を承認したと発表した。
ペンシルバニア州モンバレー製鉄所のエドガー・トムソン工場に新設予定のスラグリサイクル設備については、許認可取得次第、エンジニアリング計画を最終決定し、2026年に建設を開始する予定だ。同プロジェクトの投資額は約1億ドル(約148億円)を見込んでいる。USスチールのエドガー・トムソン工場は、ピッツバーグの南東約16kmに位置するブラドックにあり、高炉一貫製鉄所の上工程を担っている。スラグリサイクル設備は、製鉄工程で生じる副産物であるスラグを再資源化し、セメントの原料などとする。副産物の販売による収益拡大を実現すると同時に、廃棄物や大気排出物の削減にも貢献する。
また、インディアナ州ゲーリー製鉄所に約2億ドル(約296億円)を投資することを決定した。これにより、製造コストの改善と厚手ラインパイプや自動車用鋼板などの高級鋼製品の拡充を図る。ゲーリー製鉄所は、インディアナ州ゲーリー市のミシガン湖南岸に位置するUSスチール最大の製造拠点であり、高炉から製品工程まで有する一貫製鉄所だ。
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