日本製鉄と中山製鋼所は、両社の共同出資による新会社の設立、新会社が新設する電気炉を用いて中山製鋼所が鉄鋼製品を製造し日本製鉄が購入することなどを内容とする業務提携に関する基本合意書を締結した。
日本製鉄と中山製鋼所は2025年5月9日、両社の共同出資による電気炉保有会社の設立に合意したと発表した。新会社が設置する電気炉を用いて中山製鋼所が鉄鋼製品を製造し、それを日本製鉄が購入する業務提携に関する基本合意書を締結した。
国内外において鉄鋼業を取り巻く事業環境が厳しさを増す中、日本製鉄はより確実に需要を捉えるべく、これまでの品種高度化を中心とした取り組みを基軸としつつ、競争力ある商品ラインアップの拡充を図る目的で、中山製鋼所と新会社を設立の上、業務提携を行うことを決めた。
新会社の事業内容はスラブ製造に必要な電気炉設備の保有/賃貸。資本金は500億円程度で、出資比率は日本製鉄が49%、中山製鋼所は51%。設立時期は2026年3月を予定している。設備の内容は電気炉を含む製鋼設備で、設備への総投資額は950億円程度。なお、議決権比率は契約締結に向けて両社間で協議予定だ。
新会社が中山製鋼所船町工場(大阪市大正区)構内に電気炉を新設し、中山製鋼所に賃貸する。中山製鋼所が当該電気炉によりスラブを製造。日本製鉄は当該スラブの一部を購入、あるいは追加でスラブの圧延業務などの加工工程を中山製鋼所に委託の上、加工後のホットコイルなどを購入する。
今後のスケジュールに関して、契約締結は2025年9月、新会社の設立は2026年3月、新規電気炉建設工事の着工は2026年8月、新規電気炉稼働日は2030年以降を予定している。
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