横型マシニングセンタでは新たに「NHXシリーズ」の第4世代となる「NHX 4000/5000 4th Generation」の中から、「NHX 5000 4th Generation」を、自動化ソリューション「RPSシステム」と組み合わせて披露した。
NHX 4th Generationは、高速主軸「speedMASTER」の400V化に伴い、主軸出力が従来機比で50%向上した。最高回転速度が毎分2万回転の主軸を標準搭載しており、アルミニウムの高速加工において切削除去量が50%増加した。
X、Y、Z軸の早送り速度は毎分60mから同70mに高速化している。また、CELOS Chatter Controlによって加工時のビビりを自動で検知し、ワンタッチ操作で加工条件をNCプログラムに反映できる。これらの機械性能の向上によってサイクルタイムを15%短縮する。
旋回式機構を持つHMI(ヒューマンマシンインタフェース)によって、操作性やワークへの接近性が向上。工具マガジンはリング式、チェーン式、マシン式を用意し、最大300本まで収納できる。
「MATRIS WPH」はワークハンドリングとパレットハンドリングを1つに集約した自動化パッケージシステムだ。多品種少量生産におけるワークの治具交換作業を自動化する。操作は「DMG MORI Automation Controller」に集約されており、ノーコードでロボットを操作したり、稼働状況を確認したりすることができる。
会場では可搬重量210kgのMATRIS WPH 210を、同じく新製品の5軸加工機「DMU 65 monoBLOCK 2nd generation」と連結してデモンストレーションを行った。DMU 65 monoBLOCK 2nd generationは最大加工ワークが径630×500mmと従来機種より拡大。また、側面にシャッターを設けて自動化システムと連結しやすいようにしている。
「5軸加工機で工程集約を図った後に自動化することでさらに生産性が高まる。その際に柔軟な自動化システムが必要になると考えて開発したシステムになる。欧州では、こういった自動化システムのニーズが高まっている」とDMG森精機 執行役員 商品統括担当のブルーメンシュテンゲル 健太郎氏はMATRIS WPHについて語っている。
通常の切削に加えて、超音波振動を利用した研削も行う超音波加工機の新製品「Ultrasonic 60 precision」も披露した。同社の5軸加工機「DMU 50」に超音波加工の機能を付加した「Ultrasonic 50」の後継機となっており、炭化ケイ素や石英ガラスなど硬脆(こうぜい)材料の超音波精密加工ができる。「ASMLをはじめ半導体産業のユーザーの声を受けて開発した」(ブルーメンシュテンゲル氏)としており、機内のテーブルに冷却回路を設けるなど長時間の稼働でも熱変位を抑える仕組みを取り入れ、全軸において5μmという高い位置決め精度を誇り、円弧補間精度も6μmとなっている。
さらに今回から、同社のポーランドの工場で作られた5軸加工機「DMX 60 U」をベースに開発しており、ドイツ生産のDMU 50を用いてた従来機と比べてコストダウンにも成功したという。会場では、半導体製造装置のチャンバーに使われる部品を模した加工サンプルとともに展示した。
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