Qorvoは2014年に第1世代のUWB向けトランシーバーICを投入した後、2019年にはUWBの優先的使用で指定されているチャネル9(中心周波数:7987.2MHz、周波数帯域幅:499.2MHz)に対応するトランシーバーICを発売した。そしてUWB市場の今後の拡大を見据えて、2025年にはトランシーバーにマイコン機能を集積したSoCとなる第3世代品を発表した。
第3世代品は車載グレードの「QPF5100Q」と一般グレードの「QM35825」の2品種がある。両品種とも送信機1個に対して受信機2個が組み込まれており、これによって複数のアンテナを用いて高精度な測位を行うAoA(Angle of Arrival)が可能になっている。
QPF5100Qは、車載ECUと通信するためのCAN FDコントローラーも集積している他、子どもの車内放置検知システムのレーダーとしての利用に必要なアルゴリズムを組み込めるようにフラッシュメモリの容量を2MBと多めに搭載している。「大手自動車メーカー数社の採用が決まっており、2026年末〜2027年にかけて量産車に搭載される見通し。Qorvoの自動車部門の売り上げを大きく占めるようになるだろう」(大久保氏)。
一方のQM35825は、RFフロントエンド回路も集積しており、アンテナを除いてUWBによる無線通信やレーダーの機能を実現できるようになっている。
会見では、QorvoのUWB向けトランシーバーICの開発キットを用いたデモンストレーションも披露された。アンテナをセットした開発キットを用いて、その間の距離を測定したり、レーダー機能で人の存在を検知したりできることを示した。
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