矢野経済研究所は、ソフトウェア開発ベンダーやIT系半導体メーカー、マイコンベンダーなど、国内の車載ソフトウェア市場に関する調査結果を発表した。2030年の市場規模は1兆118億円に達する見込みだ。
矢野経済研究所は2025年8月27日、ソフトウェア開発ベンダーやIT系半導体メーカー、マイコンベンダーなど、国内の車載ソフトウェア市場に関する調査結果を発表した。
車載ソフトウェア市場は、2022年の4300億円(前年比131.5%)、2023年の5680億円(同132.1%)、2024年の6570億円(同115.7%)と拡大基調を維持している。2025年には6790億円、2030年には1兆118億円に達する見込みだ。
2024年の内訳は、制御系69.3%、車載IT系18.1%、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)ソリューション12.6%だった。2025年は、SDVソリューションの構成比が19.7%と伸び、車載IT系(16.9%)を初めて上回ると予想。2030年の構成比は制御系30.8%、車載IT系12.8%、SDVソリューションが56.3%と、SDVが過半を占める見込みとしている。
SDVの進展により、制御系ソフトは差別化が難しくなり、SDVプラットフォームの一部として取り込まれる可能性が高い。これに伴い、OEMを頂点とする垂直統合から、SDVプラットフォームを核にした水平分業へ移行が進む公算が大きく、マイコンメーカーとOEMやTierの間に位置付けられていたソフトウェア開発ベンダーの役割が縮小する可能性が高まる。一部の大手は既に勝ち残りに向けた検討を進めているという。今後は、OEM各社がSoC(System-on-a-Chip)開発を含めSDV関連ソフトウェア開発を加速する見通しだ。
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