フローズンジャパンは、FDM方式3Dプリンタ「ARCO」の販売を開始した。大型造形を高速かつ高精度に実施できる他、多色造形にも対応する。
フローズンジャパンは2025年7月9日、FDM方式3Dプリンタ「ARCO」の販売および出荷を開始した。大型造形を高速かつ高精度に実施できる。希望小売価格は、本体ベースモデルで15万5000円(税込み)となる。
ARCOの中核には、同社独自の「GraviCore XY」を搭載。強化アルミ製の4本の支柱と4層構造の加熱ビルドプレート、金属製フライングガントリーから構成される。プラットフォームを固定したままガントリーが上方向へ昇降するため、振動や揺れを抑えて高速下でも滑らかで正確な積層を実施できる。
造形サイズは300×300×300mmで、大型造形に対応する。最大ヘッド速度は1000mm/s、加速度は4万mm/s2、フローレートは最大Rate50mm3/s。18mmの押し出しギアにより、安定した押し出しが可能だ。また、押し出しギアをホットエンド直近に配置することで、フィラメントの押し出しを高精度に制御する。
ノズル温度は最大300℃で、ベッド温度は110℃。PLAやABS、PETG、ASA、PET、PA、PC、TPUなど各種材料に対応する。スタンダードノズルの他、Slice Engineeringと共同開発した耐摩耗性ノズル「GammaMaster」とBondtech製高流量ノズル「CHT」も付属する。
オプションの多色プリント用「クロマキット」には、4つのスプールホルダーと4本のフィラメント供給チューブが含まれる。これにより、色の切り替え時間を短縮できる。全面密閉型のカバー「ペンタシールド」は、外気の影響を抑えてプリント庫内温度を維持する。排気と空気循環を自動制御し、臭いを抑えて静かでクリーンな環境をサポートする。
オープンソースのファームウェア「Klipper」を搭載しており、同社独自のスライサー「PIXUP FDM」と連携することで、3Dプリントのワークフローを最適化する。同スライサーは、フィラメントの供給状況やプリントの進行状況をリアルタイムで表示し、どこからでも状況を把握できる。
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