中小製造業といっても、取り組むべきデジタル化の内容は各社で異なります。共通するポイントと個別に検討すべき点に分けて整理してみましょう。
なお、実際のツール選定時には「多すぎて選べない」「機能が多すぎて混乱する」という声も聞かれます。最近では多くのツールがクラウドで提供されており、無料で試せるものも多く存在します。まずは試用し、合わなければ断る、合いそうであれば話を聞いてみる。このように少しずつ自社に合う目を養っていくことが重要です。
最後に、デジタル化をこれから進めたいと考えている中小製造業に向けて、実践的なステップを紹介します。
本稿では、中小製造業がどのようにデジタル化を進めていけばよいかを、マクロ、ミクロの両面から整理しました。特に小規模企業が直面する課題に対して、具体的な事例を通じてその対応策をお伝えしました。
次回は、小規模工場の現場に入り込み、現場視点から最適なツール開発を進める企業「ドラムロール」の取り組みをご紹介します。町工場とベンチャーの共創によるリアルな実践例にご期待ください。
⇒連載「これからの中小製造業DXの話をしよう」のバックナンバーはこちら
辻村裕寛(つじむらやすひろ)
ネクサライズコンサルティング 代表取締役兼 産業能率大学 総合研究所兼任講師
経済産業大臣認定 中小企業診断士、PMI認定PMP、認定経営革新等支援機関
ITベンチャー、リコーテクノシステムズ、日立コンサルティングなどのIT/コンサル業界での経験を経て、2024年4月に独立しました。「企業と働く人へのコンサルティングを通じて、持続可能な変革を促し、新たな価値を創出する。そして、日本経済を持続的な成長が可能な形に変えていく」というビジョンを胸に、日々活動しています。
コンサルティングサービスによる企業支援と並行して、コンサルティング現場から得られた示唆、時代に求められることをLive感あるコラムで発信中。並行して、組織・従業員への研修/セミナーにより内部から成長を促進する企業への変革をお手伝いしております。こうした活動を通して、現在、そして、これからの人たちが働きやすく・過ごしやすい社会の構築を目指しています。従業員へのセミナーでは現役世代だけではなく、50代半ばからの出口戦略をともに考え作り上げるサービスを提供することで、高齢化社会だからできる社会構築のお手伝いをしております。これらを通じて、日本のGDP改善の実現に貢献してまいります。
著書として、今回連載するコラムのもとになったプロジェクトの詳細を記載した『中小企業のまち大田区からはじまる ものづくり日本再興プロジェクト』(ダイヤモンド社)がございます。
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