出光興産は、蛍光型青色材料を使用した有機EL素子分野において、積層型発光層素子のメカニズムを詳細に解析し、世界最高レベルの発電効率と長寿命化を達成した。有機ELディスプレイの省電力化や製品の長寿命化による環境負荷低減に貢献する。
出光興産は2025年5月19日、蛍光型青色材料を使用した有機EL素子分野において、積層型発光層素子のメカニズムを詳細に解析し、世界最高レベルの発電効率と長寿命化を達成したと発表した。
有機ELディスプレイを構成する赤、緑、青の画素に使用される発光素子のうち、青色発光素子は唯一の蛍光型素子で、発光効率と長寿命化が課題となっている。同社は2022年に、2つの青色材料を積層し、蛍光型素子の発光過程において電荷の再結合とTTF(Triplet-Triplet Fusion:三重項-三重項融合)を起こす領域を分離した積層型発光層素子を開発。発光ロスを抑え、高効率かつ長寿命の有機EL素子の実用化に成功した。
今回、この積層型発光層の機能分離発光に着目し、そのメカニズムを解析。最適な材料設計を各層に施すことで、実用化されているトップエミッションデバイスの発光効率改善と長寿命化を達成した。これにより、有機ELディスプレイの省電力化や製品の長寿命化による環境負荷低減に貢献する。
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