将来宇宙輸送システムらは、金属3Dプリンタで製造した「推進薬タンク」の耐圧、気密試験を実施し、両試験ともに目標を達成した。金属3Dプリンタで製造したタンクとしては、国内最大規模となる。
将来宇宙輸送システム(ISC)は2025年3月24日、WAAM3D、英国クランフィールド大学、愛知産業との協業により、金属3Dプリンタで「推進薬タンク」を製造し、開発開始から1年で耐圧、気密試験を実施したと発表した。
ISCは2024年4月から、FM(Flight Model)推進薬タンクの開発に向けてプロダクト要件の策定や、設計と製造プロセスの検討を進めてきた。同年7月には、3DプリンタやWAAM(Wire-Arc Additive Manufacturing)技術の知見を有する、WAAM3Dやクランフィールド大学、愛知産業と業務提携契約を締結し、金属3Dプリンタで推進薬タンクの製造を開始した。ISCによると、同タンクは金属3Dプリンタで製造したタンクとして国内最大規模となる。
2025年2月4〜5日に実施した同タンクの耐圧試験では、目標の0.76MPaに耐えることが確認できた。また、気密試験では目標の0.69MPaにおいて、漏れなどがないことを確認した。
4者は今後、これらの試験の結果を踏まえつつ、協力して実際のロケット機体で使用する推進薬タンクや機体構造を金属3Dプリンタで製造していく。
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