DMG森精機は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」において、5軸加工機や複合加工機を歯車加工機にするソリューション「Gear Production+(ギヤプロダクション・プラス)」の第一弾として、歯車研削ユニットを初披露した。
DMG森精機は「第32回日本国際工作機械見本市(JIMTOF 2024)」(2024年11月5〜10日、東京ビッグサイト)において、5軸加工機や複合加工機を歯車加工機にするソリューション「Gear Production+(ギヤプロダクション・プラス)」の第一弾として、歯車研削ユニットを初披露した。
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歯車は工作機械や自動車、ロボットや航空機など幅広い産業で使用されている。省エネルギー化に向けて、動力を効率よく伝える高精度な歯車の需要が増している。ただ、従来の一般的な歯車の加工工程は、ターニングセンタやマシニングセンタのような切削加工機で端面や外径などを加工後、ギヤシェーパーやホブ研削盤などの歯車専用機による加工が必要だった。
今回、開発した歯車研削ユニットを5軸制御立形マシニングセンタ「NMV 5000 DCG」に搭載し、ギヤスカイビングなどのテクノロジーサイクルと組み合わせることで、旋削、ミーリング、歯車の荒加工から仕上げ加工までを1台の機械に工程集約することが可能となる。
「さまざまな製品のライフサイクルが短くなり、新しいモデルを投入するサイクルが早くなっている。歯車の種類が増えてくると、作るときに段取りが大きな負荷になってしまう。そこで歯車研削ユニットを使い工程集約することで、この段取りを減らして、かつ中間在庫も少なくすることができる。さらに加工時間は従来の専用機と比べても遜色ない」(DMG森精機の説明員)
この歯車研削ユニットは、専用のクランプ機構により高剛性に把持され、加工時には自動で主軸へ装着され、研削加工時以外は専用の機内ストッカへ格納される。また、荒加工の歯車位相を自動で検知する歯合わせ機能を装備している。
外歯車径400mm以下、内歯車径120〜430mm、モジュール2〜6の歯車およびスプライン、キー溝など、各種溝形状を加工できる。精度については、モジュール2.5mmの内歯平歯車の加工で、歯形、歯すじ、ピッチ誤差、歯溝の振れにおいてISO4級を達成したという。
「今後はNMV 5000に限らず、同等性能の機械にも搭載していき、大小、さまざまな形状の歯車の工程集約を提案していきたい」(DMG森精機の説明員)
最大搬送重量2000kgのAMR(自律型搬送ロボット)「AMR2000」も日本初公開した。1200×800mmのユーロパレットや1100×1100mmのJISパレットなどの素材搬送に適しており、ブースでは5軸制御の横型マシニングセンタ「INH 63」に付けられたチップバケットを搬送するデモを披露した。
「AMR2000はモジュールを変えることで切粉台車の交換やワークや素材の搬送もできる。これまでフォークリフトで行っていた作業を1台のAMRに集約でき、重量物の搬送を24時間、無人で行うことができる」(DMG森精機の説明員)
2023年に発売したINH 63に関しても既に80台以上の受注があるという。「量産加工を目的とした横型マシニングセンタの機械構造に5軸を加えることでさらに工程集約をして、たくさんの製品を連続して加工できるようになった。7割以上のお客さまがパレットプールやロボットなどを付けており、工程集約できる5軸加工機に、さらに自動化を付加して、より多くのモノを無人で加工したいというニーズに合致している」(DMG森精機の説明員)
複合加工機にDED(指向性エネルギー堆積法)方式のAM(Adittive Manufacturing、AM)を搭載した、レーザー金属積層造形機の新製品「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」も披露した。最大積層ワークサイズは径400mm×2821mm(B軸が90度の場合)、最大加工長さは3018mmとなっている。
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