オークマは、横形マシニングセンタ「MA-4000H」を開発した。「Green-Smart Machine」として自律的に機械状態を判断し、高精度、高生産性を保ちながら脱炭素、省エネにも貢献する。
オークマは2024年10月1日、横形マシニングセンタ「MA-4000H」を開発したと発表した。「Green-Smart Machine」として自律的に機械状態を判断し、高精度、高生産性を保ちながら脱炭素、省エネにも貢献する。
同製品は、AI(人工知能)による動作軸の機械診断やドリルタップの加工診断により予防保全を図ることで、不意の生産ロスを防ぐ。AI機械診断(特別仕様)では、AIが主軸や送り軸に対して異常の有無を診断し、異常を検出すると異常部位を特定する。AI加工診断(ドリル/タップ、特別仕様)では、AIが加工状態をリアルタイムに診断士、加工中に異常を検出すると工具を自動で退避。突発的な工具破損によるワーク不良や機械故障を未然に防ぐ。
また、切粉による生産ロス軽減のため、加工領域全域で切粉を回収するフルセンタトラフ構造を採用。機内カバーの傾斜拡大や加工室内のフラット化も施し、切粉の堆積を抑制している。洗浄用クーラントを大量に使用しないため、クーラント用ポンプの消費電力も削減できる。
スラッジ回収率99%のスラッジレスタンクは、クーラントタンクの清掃周期を大幅に延長。クーラントタンクを3年間清掃しなくてもよく、クーラント自体も3年間交換の必要がない。清掃の手間が省けるだけでなく、使用後は廃液となるクーラントの長寿命化により環境負荷も軽減する。
自動化の需要に対応するため、ワークを自動でクランプする治具類への油空圧供給ポート数を、段取りステーション側は16ポート、加工室側は8ポートに増強した。
加工能力も増強し、鋼材の最大加工能力は483cm3/分で従来機比72%、アルミ材は4340cm3/分で従来機比117%。加工時間は12%短縮、非加工時間は27%短縮した。
また、従来機比で加工領域は27%拡大、フロアスペースは6%縮小したことにより、面積生産性は36%向上している。最高回転速度は1万5000min-1、最大出力38kW、 最大トルク242N・mとなっている。
省エネルギーシステム「ECO suite plus」を標準搭載し、加工時は「ECOオペレーション」、非加工時は「ECOアイドルストップ」により、主軸の発熱状態や冷却の要否を機械が判断して冷却装置を制御する。
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