DMG森精機が2025年度(2025年1〜12月)の決算を発表。同社 代表取締役社長の森雅彦氏が報道陣の取材に応じた。
DMG森精機は2026年2月10日、オンラインで記者会見を開き、2025年度(2025年1〜12月)の決算について説明した。
2025年度の売上高は前年度比4.8%減の5150億円、EBITは同56.6%減の190億円、EBITDAは同28.8%減の536億円だった。一方、2025年度の連結受注額は前年度比5.5%増の5234億円となった。機械本体の受注残は2400億円だった。
特に第4四半期(2025年10〜12月)の売上高は前年同期比24%増、前期(2025年7〜9月)比6%増の1415億円となり、DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏は「受注の回復が鮮明となっている」と語った。
具体的には、欧米での航空宇宙や防衛、エネルギー、船舶やデータセンター、半導体などが受注をけん引している。
「データセンター関連はグローバルで強い。タービン系発電機やバックアップ用のディーゼル系発電機がたくさん作られている。そういった電源や冷却装置などを製造する企業向けの機械や、データセンターとやりとりする宇宙通信や光ファイバーケーブル関連が動いている。また、航空機メーカーの欧米やインドを中心としたアジア地域の一次下請けが複合加工機を多数購入している。船舶に使われるポンプや通信機器関連も北欧を中心に受注している」(森氏)
2025年度のMRO(メンテナンス、リペア、オーバーホール)やスペアパーツ、ターンキー案件のエンジニアリング受注額の合計は前年度と同水準の1259億円だった。「次の3年で、年間1500億円以上にしたい」(森氏)。同社の認定周辺機器をDMQPとして展開しているが、今後はライフサイクルDMQPとして同社のユーザー向けオンラインポータルサイトであるmy DMG MORIで拡販に力を入れる。「工具や工具ホルダー、CAD/CAM、ポストプロセッサ、3次元測定機や表面粗さ測定機などを販売していきたい。現状は年間60億円程度だが、スペアパーツ並みの600〜800億に伸ばせるのではないかと考えている」(森氏)。
2026年度(2026年1〜12月)の業績見通しは、売上高は前年度比3.9%増の5350億円、EBITは同18.6%増の225億円、EBITDAは同11%増の595億円、連結受注額は同3.2%増の5400億円とした。2026〜2027年度の重点取り組み事項の1つには、製造プロセス改善/内製技術強化によるQCD最適化を挙げた。
「工作機械を構成する機械、電気、ソフトウェアの3つの要素で内製化を進めている。機械に関しては、部品を外部から購入していると他社と差別化ができない上、20年、30年と使われる中でユーザーが修理したい時に部品が入って来なくなる可能性もある。われわれは機械に関しては既に90%を内製している。電気に関しては新しい操作盤を日本とポーランドの工場で内製しており、全体では60〜70%を内製している。ソフトウェアに関しても、工作機械の場合は長く使われるので、できるだけ内製化することに取り組んでいる」(森氏)
DMG森精機ではこれまで「MX」(マシニングトランスフォーメーション)を掲げ、5軸加工機や複合加工機による工程集約などを推進。機械受注平均単価が約8000万円まで上昇してきたが、立形マシニングセンタや横形マシニングセンタの一部シリーズを2000万〜3000万円台の「BX」機として投入し、アジア系メーカーの安価な工作機械に対抗する。
「これらのシリーズは過去1万台以上作っており、社員も非常に効率よく製造できる。また、工場には年間1500〜2000台作れるスペースの余裕がある。われわれが近年作ってなかったので、ユーザーは安価なアジア系のメーカーから購入せざるを得なかった。再度投入することでやや失っていたマーケットを取り戻したい。価格も競合と同等で、非常に反響が良い」(森氏)
森氏は、会見ではエッジAI(人工知能)についても「エッジAIで一番恩恵を受けるのは工作機械だ。工作機械には複数のエッジAIが搭載されるようになる」など言及した。
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