スギノマシンが金属積層造形機能付きマシニングセンタ開発へ、ワイヤアークDEDで金属3Dプリンタ

スギノマシンは、金属積層造形機能を有するマシニングセンタの開発に着手すると発表した。大陽日酸が開発した「3DPro RotoTIG」専用トーチを搭載し、1台で金属積層造形と切削加工が可能になる。

» 2024年09月25日 13時00分 公開
[MONOist]

 スギノマシンは2024年9月11日、金属積層造形(Additive Manufacturing、AM)機能を有するマシニングセンタの開発に着手すると発表した。販売開始は2025年度を予定している。

キャプション (左から)装置外観のイメージ、「3DPro RotoTIG」、造形後のワーク、造形後に切削したワーク[クリックで拡大] 出所:スギノマシン

 同製品は、大陽日酸が開発した「3DPro RotoTIG」専用トーチを搭載。大陽日酸の回転TIG溶接技術と、スギノマシンの精密部品設計製造技術の融合により、1台で金属積層造形と切削加工が可能になる。

 3DPro RotoTIG専用トーチはワイヤアークDED方式で、造形速度が速く、材料費も安い。スパッタの発生が少なく、無欠陥、酸化レスで高品質かつ自由度の高い造形ができる。また、中心軸にワイヤを送給させ、その周囲を電極が回転する仕様としているため、品質と形状の安定した積層ビードによる積層造形が可能となった。

 完成形状に近い素材の造形後に、仕上げで切削加工をすることにより、リードタイムを大幅に短縮。設備の設置スペースも抑えられるため、省スペース化にも寄与する。

 数値制御(NC)による精密な制御で金属積層造形ができるため、NCの知識があれば金属積層造形や溶接の経験がないユーザーでも安心して利用できる。CAMやシミュレーターとの連携により操作性が向上するほか、マシニングセンタの付帯設備により安全性も増す。

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