FreeRTOSがライバル!? イタリア発のRTOS「BeRTOS」は古のBeOSとは関係ないリアルタイムOS列伝(50)(3/3 ページ)

» 2024年09月03日 07時00分 公開
[大原雄介MONOist]
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2015年にGitHubへ移行、そして現在は……

 ちなみにBeRTOS 2.7.99時点での対応ハードウェアは以下のようになっている。

  • ARM7TDMI:Atmel AT91SAM7、NXP LPC2XXX
  • Atmel AVR:ほとんどのAVR8をサポート(Arduinoを含む)
  • Cortex-M3:Luminary Stellaris LM3S、ST Microelectronics STM32、Atmel SAM3
  • PowerPC/x86/x86-64:エミュレータ動作

 ここでLuminary Stellarisというのは、まだ独立企業だったLuminary Microのことで(2009年にTIが買収)、同社のStellarisシリーズはそのままTIから発売されている。またPowerPCがエミュレータのホストに挙がっているのは、まだ当時はPowerPC MacからIntel Macへの移行の途中の時期に当たっており、製品はともかくユーザーはまだPowerPC Macを使っていたという事情によるものである。

 ただそれまでは独立して存在していたBeRTOSのWebサイト(図4)であるが、2015年にWebサイトそのものがGitHubにリダイレクトされるようになり、サポートページやコミュニティーなどに一切アクセスができなくなった。

図4 図4 2014年12月30日付のBeRTOSのWebサイト(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)。上のロボットがマスコット? ちなみにこれは英語版で、イタリア語版だと“NOT ONLY A KERNEL”が“NON SOLO KERNEL”になっている[クリックで拡大] 出所:Develer

 元のBeRTOSのWebサイトで提供されていたブログエントリ(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)も、2012年4月27日分(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)が最後のようだ。そしてGitHubの方も、2018年11月27日にアーカイブされてしまっている。2012年7月のVersion 2.7.99が最終バージョンとなったようで、以来動きはない。

 Develerの“Our free projects”のWebサイトの冒頭にBeRTOSは出てくるので、別になくなった訳ではないのだろうが、もうBeRTOS SDKの販売は行われていない(Premier Supportも多分終了しているのだろう)ので、使う場合は普通にソースを落としてきてビルドするという形になる。

 GitHubのBranchを見ても、STM32 Nucleo向けのBranchがある程度で、こちらもVersion 2.7.99である。まぁ、Arduinoあたりに入れて遊ぶには手頃なRTOSかもしれないが、もはやそれ以上ではないというのが正直なところだろう。

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