ちなみにBeRTOS 2.7.99時点での対応ハードウェアは以下のようになっている。
ここでLuminary Stellarisというのは、まだ独立企業だったLuminary Microのことで(2009年にTIが買収)、同社のStellarisシリーズはそのままTIから発売されている。またPowerPCがエミュレータのホストに挙がっているのは、まだ当時はPowerPC MacからIntel Macへの移行の途中の時期に当たっており、製品はともかくユーザーはまだPowerPC Macを使っていたという事情によるものである。
ただそれまでは独立して存在していたBeRTOSのWebサイト(図4)であるが、2015年にWebサイトそのものがGitHubにリダイレクトされるようになり、サポートページやコミュニティーなどに一切アクセスができなくなった。
図4 2014年12月30日付のBeRTOSのWebサイト(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)。上のロボットがマスコット? ちなみにこれは英語版で、イタリア語版だと“NOT ONLY A KERNEL”が“NON SOLO KERNEL”になっている[クリックで拡大] 出所:Develer元のBeRTOSのWebサイトで提供されていたブログエントリ(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)も、2012年4月27日分(現在は存在しないためWebアーカイブを参照)が最後のようだ。そしてGitHubの方も、2018年11月27日にアーカイブされてしまっている。2012年7月のVersion 2.7.99が最終バージョンとなったようで、以来動きはない。
Develerの“Our free projects”のWebサイトの冒頭にBeRTOSは出てくるので、別になくなった訳ではないのだろうが、もうBeRTOS SDKの販売は行われていない(Premier Supportも多分終了しているのだろう)ので、使う場合は普通にソースを落としてきてビルドするという形になる。
GitHubのBranchを見ても、STM32 Nucleo向けのBranchがある程度で、こちらもVersion 2.7.99である。まぁ、Arduinoあたりに入れて遊ぶには手頃なRTOSかもしれないが、もはやそれ以上ではないというのが正直なところだろう。
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